Short Novel

□うわさ話
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「ふえっくしゅん!!」
「・・・何だ、そのくしゃみ」
「知らへんわっ」

本日3度目のバカデカイくしゃみ。
棗は呆れた顔で蜜柑をみる。
おかしいなぁと呟きながら、
首をかしげた蜜柑。

「うわさでもされてんじゃねえのか?」
「ウチの〜?おかしいわ。
あんたやルカぴょんや蛍とはちゃうんよ?」

・・・自分のファンクラブがあることを
知らない鈍感な蜜柑。
ココまで鈍感だと、棗のなけなしの
堪忍袋の緒がブチ切れてしまう。

「あ、そういえばさぁー・・・」

ふと、固まって話ている集団に
目を向ける棗。

「〜先輩たち、とうとう付き合い始めたらし〜ね〜」
やっぱり〜?そうなると思ってた!」
「お似合いだもんね〜」

「ふえっくしゅんっ」

思わず小さく笑った棗に、蜜柑は鼻をすすりながら、不審の目を向ける。

「何笑っとんねん、棗」
「別に」
「なに〜?なんかあったんか!?今?!」

軽く蜜柑をあしらう棗。
昔から変わらないように見える2人も、
確かに変わった。



あのうわさ話の主人公は、



超鈍感な、アイツ。

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