薔薇のマリア
□君に花束を
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2月に入り、世はバレンタインムード一色であった。
女子はあげるチョコレートを何にするか悩み、男子は愛しい人から貰えるかドキドキして過ごしていた。
ここにいる男も例外ではなく、愛しい人からバレンタインにチョコレートが貰えますよおにと願っている。いや、願うだけではない。この男は行動も起こしていた。
「はろーベティ、偶然だね♪前に会ってから14時間31分2秒しか経ってないのにまた出会うなんて僕達は運命で結ばれてるんだよきっと」
「人を待ち伏せて出会うのは運命とは呼ばないわクルオ」
「僕は待ち伏せるだなんてそんな不確かなことはしないよ?ちゃんと後をついてきたのさ!」
「ストーカーって言葉知ってる?」
「照れ隠しは無用さベティ。あぁでもそんなツンとした君も素敵だけどね」
「.....」
ベティはクルオを無視して歩き始める。
「ぁっ、ちょっと待ってベティ!本題があるんだ」
「ないでしょ」
「いやいや大切なことさ。もう直ぐあるバレンタインに、君からのチョコが欲しいんだ」
「有り得ないわ」
「僕はベティからのものなら何でも食べられるから、好みとか気にしなくていいからね?」
「人の話を聞きなさい」
「じゃあ、お願いね♪本当はベティの傍を片時も離れたくないんだけど、僕はこれから用事があるから残念ながらこれで失礼するよ」
「あら嬉しい永遠に私から離れていてちょうだい」
「じゃあね、I love you...」
嵐のようにクルオはその場を去っていった。
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