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□紅い月
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血で濡れた紅い月
君への愛で清めれば
蒼い光を取り戻すだろうか?
「‥ゃっァ、はっ、」
暗い事務所に響くのは、押さえた、でも紛れもない嬌声。
「あっ‥!はっ、まっ待って、ギギナ」
制止の声に答えるものはなく、行為は続けられる。
「やっ、ひぁっ‥‥あっ、あぅっ」
嫌だ。まって、ギギナ。
「は、んぅ‥‥あっ?あっあぁ、ああっ」
後孔に埋め込まれた指が、一点を突くと、身体は主を裏切って快感に震えた。
嫌だ。こんなのは嫌だ。
鬱憤のはけ口のように抱かれるのは、俺のなけなしのプライドが許さない。
事務所に着くや否や、ギギナに押し倒された。
抵抗する腕を上で縛られ、力でねじ伏せられる。当たり前だ、腕力で俺がギギナにかなうはずがない。
普段ならこんなに本気で抵抗したりしなかった。でも、今日はした。ギギナの目に、俺は映っていなかったから。
何があったのか知らないが、そんなギギナに俺は少なからずショックを受けた。意外なことに、いままでギギナは俺を殊更優しく抱いてきた。
だから、口には出さないが、愛されてると感じられた。
「やっ、いやだっ‥ギギ、ナっ」
俺とて男だ。男に抱かれるのはかなりの抵抗があった。それでも、ギギナが、あのギギナが俺のこと好きだといったから。
抱き方も、いつも、どこか優しかったから。愛されてるのを、感じていたから。そしてなにより、自分もギギナが好きだったから。
だからこんなのは嫌だ。
今までの俺たちの関係が、壊されそうで。
「やめ、ろよ‥‥」
涙がこぼれる。蕾に、ギギナの熱を感じる。そのまま一息に突き立てられて、室内に悲痛な声が響いた。
「や、‥‥ああぁあっ!」