《Love Get》

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『ご主人様、お忘れ物はございませんか?』
『つか俺の荷物全部用意したのお前だろ?』

ツナのだけでなく俺の物まで全て用意したのは紛れもなくツナ自身なのに何故俺に改めて聞く。

『そうですが…まぁ一応』


学校に着くまでの車ん中ではツナは毎日笑顔で俺に話しかけて来る。俺はと言うと“あぁ”とか“そうか”とか気のない相槌をうち、更に機嫌が悪い時は“うっせぇ”なんて言ってしまう始末…だがそれでもツナは笑顔で話尽きる事なく食べ物の事、学校の事、テストの事、それから…俺の事、……色んな話をしてくる。


『行ってらっしゃいませ坊ちゃん、ツナさん。』

バタン


学校に着き運転手が見送ったあと、俺らも学校に向かって歩いていく。ふと何か思い出したようにツナが俺を振り返った。


『ご主人様、今日も刺客やらファンやらには十分にお気をつけ下さい!まぁ何かあっても俺がお守り致しますが…万一考えて…』

『はぁ………』


思わずため息が出た。
コイツは何も分かっていない。



『ため息ばかり着いてたら幸運が逃げます―っ、あ…そうじゃなくて!刺客とファンですよ!最近沢山の方達がご主人様を狙ってるんだから油断が出来ません!』

『…………………』


ホントにどれだけ鈍いのだろう。俺とツナが一緒に行動するのはほぼ毎日…日常茶飯のようなモンだ。まぁ実際ツナが付きまとってるだけなんだが……2人で居る時もいつでも どんな状況の時でも俺らに視線を感じるのも日常茶飯。その殆どの視線は見た目可愛いツナに恋焦がれ告白しようと隠れている人達だと言う事にツナ自身は気がついていない。それどころかそいつらが俺を狙う刺客だとか勘違いし事故を起こす事も多々あるのだ。


『とりあえず今日も一緒に居ましょうね!』

元々面倒くさがりな性分もあるが こんな風に何も考えてない笑顔を向けられると事実を話す気にすらなれない。もう一回言う――どこまで鈍感なんだコイツは。

『……はぁ…』

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