《Love Get》
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――――1年B組
長い廊下の先に続く教室の上にプレートが掛けてある。もうホームルームの時間だ。どちらにしろ俺らは遅刻決定だな。
ガラっ
『スンマセンー遅れたッス』
山本はどこまでバカなんだ?別に謝る事でもないだろ。
俺らの担任である根津…“エリートになれないヤツは生きている資格がない”が口癖のうざいセンコーが俺らを睨む。
『山本、沢田…お前ら、俺のホームルームに遅刻するとは良い度胸だな…。』
今俺は2人の背の後ろに居るから教壇に立つ中山からは俺の姿は認識出来ないだろう。普段がサボりだけに俺が登校している事すら気付いていない。
『違うんです!ご主人様の命の危機だったんです!俺たちはご主人様をお守りする為に戦ってたんです遅刻じゃありません!』
『……………………。』
またコイツは余計な事を…。
『は?…何言ってるんだ沢田。命の危機だか何だか知らないが俺のホームルームに遅刻したからにはそれなりの…』
バシン!
『…………』
ツナが根津の話を途切り教壇を叩いた。顔がマジだ…マジでキレてる時の顔だこれは。教室がシーンと静まりかえる。それもそうだろう。あらゆる年代の人からモテ囃される見た目可愛いツナがここまでキレるとこをこのクラスの奴等は見た事がなかった。
『じゃあどうしろって言うんです!?俺にみすみすご主人様を見捨てろと!?隼人様に何かあったら貴方が責任取ってくれるんですか!?隼人様に何かあったらどうするんです。国際問題ですよ!例え教師であろうと獄寺家の御子息である隼人様に……』
『なっっ隼人様?』
教室の誰かが呟く。
あぁそうだよ俺の名は隼人だよ…だから何だ。
『なんだよ。』
かったりーから俺は邪魔だった山本の横を通り抜け教室に一歩踏み出した。その途端黄色い声が飛び交った。
『きゃ〜隼人様よ隼人様だわ』 『まさか隼人様ご登校なさるなんて!幸せ〜』
そんなクラスの女子たちのざわめきを聞き更にツナの顔があからまさに不機嫌になる。
『チッ…だから学校なんざ嫌ぇなんだよ俺は…』
『まぁまぁモテるって事は良い事だぜ獄寺?』
クラスのうぜぇ連中…
五月蝿ぇ両親とセンコー…
何もかもがうざってぇ…