《Love Get》
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ピピピピっ
『…っそだろ』
次の日の朝、俺はベッドから起き上がる事が出来ず自分の対身体に苦戦していた。幸いベッドサイドの引き出しには体温計を置いてあるので何とか取り出した俺はクラクラしながらも熱を測った……………。
『39度5分……』
情けねぇ…この年になって まさかこの俺が風邪を拗らすなんざ。手を自らの額に置いてみても…熱いかどうかも分かんねぇ…
バタンっ
『ご主人様やっぱりご病気なさったんですか!?ご無事ですか!?死んでませんか!?生きてますか!?』
はぁ…来ると思ってたぜ。ツナが血相を変えて飛び込んで来た。縁起でもねぇ事言うなっての。ってか今の“やっぱり”って何なんだよ……?
『テメェツナ…だから勝手に俺の部屋に入るなって…何度も言って……』
駄目だ怒ろうとしても只の痛々しい病人口調にしか聞こえない。…何つー様だ。
『ご主人様昨日から調子悪かったじゃないですか!俺が部屋に入った時もお顔真っ赤で具合悪そーで…』
『……………………。』
コイツ…昨日から気付いてやがったのか。
『余計な世話だっての…』
『まぁまぁそう仰らず。ご主人様のお世話は俺の使命ですから。何なりとご命令下さい』
『分かった…じゃあ今すぐ帰れ』
『却下です(笑)』
コイツっ人がこんな苦しんでるっつーのにっ。
『とりあえずお薬飲みましょうね。汗かいてさっぱりしてご飯食べて寝れば付き合い始めのカップルの如く熱なんてあっという間に下がります』
『……………………。』
今のはツッコんだ方が良かったのだろうか…いや、…コイツの場合天然なのかわざとなのか…全くもって読めない。恐らく前者だとは思うが…どちらにせよ曲者には違いない。
『っっ!』
いつの間にか目の前にお粥をすくったスプーンが差し出されていた。ボーっとしていただけに驚いてしまう。
『はいご主人様ヒッヒッフー』 『…………………。』
誰かコイツを止めてくれ!