《氷の守護者》

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『おい山本…10代目、まだ帰って来てねぇか?』
『まだみてぇだな。っかしいな…屋上までそう遠くねぇしな…何かあったのか…』

ツナと別れてから約10分…獄寺と山本は先に教室に帰って来ていた。すぐにツナも来るだろうと思っていたのだが、待てども待てども帰って来ない。あと数秒もすれば始業のチャイムが鳴り、次の授業の担任が入ってくる筈だ…。授業は必ず出るツナの性格上サボりと言う事は考えられない。


キーンコーンカーンコーン

ガラッ

担任の先生が来たのだが、まだ帰って来ない。明らかにおかしい。何かあったとしか考えられない。
『おらお前ら席につけ!…ん?沢田が居らんな…欠席か?…ておい獄寺!どこに行く!』

獄寺は一目散に教室から駆け出した。先生の話も無視だ。

『すんません!腹痛ッス!』
『こら山本!お前明らかに元気だろ…て話を聞け―!』


獄寺を追い山本も教室を出るが先生の空しい叫び声が響いただけだった。










『おい獄寺』
『山本…お前も来たのか?』
『まぁ授業つまんねぇしな。つかツナ何で戻って来ねぇんだ?』 『…万一…刺客に襲われでもしていたら………っっ』


何だか先程から嫌な予感が脳裏を過るのだ…それは山本も同じだった。背中がゾクゾクと何かが這い上がるような悪寒が襲う。まだ春になったばかりで季節的にも気分的にも暖かい筈なのに…。



『一応…屋上に行ってみるか…………?』
『…………………』



まずは自分達が別れた階段から屋上にかけて探すべきだろう。獄寺と山本は静まりかえった生徒の居ない階段をかけていった。

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