《氷の守護者》
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『リボーンさん…何故アイツが学校の屋上にいるって…』
会った訳でもないのに何故特定の場所を指名出来たのだろうか…獄寺はそれを知りたくて仕方がなかった。山本も同じ気持ちだ。
『アイツの目的が何なのかよく分からないが まだ日本に来たばかりで別に行く場所もねぇだろ?…だったらまだ屋上に居るんじゃねぇか?』
『『な!?』』
((そんな単純な理由で!?))
まさかそんな単純明快な応えが返ってくるとは思わなかった。だが目の前にいる子供が間違う事など滅多にない。
『着いたぞ』
カチャ
リボーンが言葉と共に屋上の扉を開ける。またも春には有り得ない寒さが獄寺達を包んだ。
『うわっ』
『またかよっ』
『ツナみてぇな情けない声出すな。みっともねぇぞ』
『い、いえ!10代目は情けなくなんか……っっ!』
反論しようとしたが続けられる筈だった獄寺の言葉は途中で途切れた―――――。
『よく来たな』
『おっお前っ!』
何故なら…目の先に“ツナを凍らせた可能性のある人物”が立っていたから。展望台に登り3人を見下ろしていた。
『やっぱりここに居たか。まさか日本に来ていたなんて考えもしなかったぞ――――デゥッセルドルフ』
『デゥッセルドルフ?』
リボーンも獄寺も顔を百面相しているが山本にはまだ事の重大さが分からない。始めて聞く名に聞き返した。
『ここに来たと言う事はボンゴレを救いに来たと…思って良いんだよな?』
『ったりめぇだ!やっぱりテメェが10代目をっ!』
『すぐにツナにかけた術を解放しろ。こんな事してお前も危ないんじゃねぇか?』
ふんっと微笑するデゥッセルドルフに山本は背筋に冷たいものが流れるのを感じた。――こいつ、何だ…ヤバイ感じがする。
『別に俺は牢獄に後戻りしたい訳じゃねぇ…今回ボンゴレを凍らせたのはお前らへの宣戦布告だ』
『『『はっ!?』』』
『ここに宣言する。1週間以内に俺はボンゴレ10代目含めるお前らファミリーを全滅させる』
男は最強な笑みを向けた。