中編

□の
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私は小さい頃から


感情が無いとか


暗いとか


人造人間とか


そんな事を言われてきた―



でも、私にだって感情はある。

ただ、感情を表に出すのが苦手なだけ…



全面に出さないだけ…
本当は麻雀で勝ったら嬉しいし、負けたら悔しい。


怒ったり、悲しくなったりすることだってある。


でも、私はそれを表に出す術を知らない…



鶴賀学園麻雀部の人達と接するのは楽だった。

先輩達も同級生の津山さんもみんなテンションの高い人じゃないから…

加治木先輩と津山さんはクールだし、部長の蒲原先輩は掴み所が無いけど楽なスタンスでいてくれると楽でいい。





だけど、ある日―



「名無しさんがトップかー。ワハハ、名無しさんは強いなー」
『ありがとうございます。』


いつも通り四人で対局していた時、それは起こった―



「なぁ、名無しさん。麻雀は楽しいかー?」
『…はい、楽しいです。でも、どうしたんですか?いきなり…』
「いや、名無しさんの笑顔が見てみたいなぁと思ってなー。」
『…!!』





どうして…





ここの人達は違うと思ったのに―


みんなどうしてそうやって…





『…ですか?』
「え?」
『…変ですか?私。』
「ワハハ、別にそういう訳じゃないけど、笑ったらもっと可愛いだろうなぁ…って思ってなー。」



私は私なりに喜んだり、悲しんだりしてる…


誰にも迷惑掛けていないし、私がこんな奴でも誰にも関係無いはずなのに…



「「「名無しさん!!」」」



堪え切れず私は部室から飛び出した。


笑わなきゃ…駄目?


(みんなと同じ物差しで私を見ないで…!!)
 

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