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新連載小説。
「ご注意!」
刑事土方×女子高生銀時です(≧∇≦)
「…どうして?」
駐車場へと帰ってきた二人は、呆然とその場に立ちすくむ。
少女の万華鏡の瞳に写ったのたのは、乱暴に窓を割られ、こじ開けられた、車の助手席。
車内は荒らされており、ソファまでナイフで引き裂かれている。
そして車内には、あるものがなかった。
「…オルゴールが、無い。」
確かに土方は助手席に置いたはずなのに、オルゴールは忽然と姿を消していた。
「…すまねぇ、銀時。お前の大事なモンを…っ。」
申し訳なさそうに謝ってくる土方に、銀時はフルフルと首を振るった。
「うんん。…助けに来てくれたから。…必死で走ってきてくれたんでしょ。」
「銀時…。」
この人がどんなに、必死になって自分を迎えに来てくれたのか、考えなくたって、分かってる。
それだけで嬉しかったのに、どうして彼を責められよう。
「それにしても、一体誰が…?」
誰がオルゴールを持ち去ったのだろう?
襲ってきた連中は、話した印象では、銀時が機密情報入りのマイクロチップを、松陽より託されていたことは、知っている様子だった。
しかしその情報の隠し場所が、オルゴールの中だった事は、知らないはず。
ならば、誰が?
そう考えて、ある独りの男の顔が脳裏をよぎる。
まさかっ…。
「……晋助っ。」
少女の桜色の唇から溢れた名に、土方は眉根を寄せた。
「あの野郎か…。」
混雑に紛れて、いつの間にか姿を消した晋助。
彼なら銀時が、松陽からオルゴールを貰い受けたことを知っているし、なにより先程の伊東との会話を聞いていたとしたら…。
晋助は松陽を殺し、そして自分の瞳を奪った男の名を知ってしまったことになる。
「行かなきゃっ!」
銀時は慌て踵を返そうと、来た道を振り返った。
「待て。」
しかしここで、武骨な手が細い腕を掴み、引き止める。
「奴が持ち去ったのは、オルゴールだけだ。」
「…………え?」
「狙ってた物は、ココにある。」
土方はズボンのポケットを探り、中から小さなクリスタルケースを取り出した。