NOVEL3
□幼なじみLOVE☆2
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第2話
〜彼との再会〜
「大変、遅刻だわ!!」
リディアは慌てふためきながら家を飛び出す。
あたしの名前はリディア。
高校1年生になったばかり。
そして、ただいま大ピンチ中!!
なんと、高校二日目にして、遅刻しそうなのだ。
学校は8:30から始まるが、今はもうすでに8:20。
事の発端は昨日の夜に遡る。
*******
「明日のテスト、頑張らなきゃ!!」
リディアは意気込んで母のノートに見入る。
中には、妖精の種類ごとの特徴や付き合い方がびっしり書いてある。
リディアの母はフェアリードクターだった。
リディアが小さな頃にたくさんのフェアリーテイルを聞かせてくれた。
リディアは7歳の頃に病気で母を亡くしたが、
母が教えたくれたたくさんの知識は、今でもリディアにとって貴重な宝物だ。
母を忘れたくない。
そういう思いからフェアリードクターになることを決めた。
そんなリディアは、ノートを見ながら母との思い出の感傷に浸っていた。
そして、ふと気づくと、時計は午前3時をさしていた。
「!!…明日…起きられるかな……。」
そんなことを呟きながら、リディアは眠りについていった。
*******
そして朝。
時計のアラームがやたらとうるさいので目が覚めると……
「きゃーーー!!もう8時じゃない!」
案の定、寝坊したのだ。
大学で教授をやっている父は、今週は研究のために泊まり込みだし、
ニコは人のことはお構いなしに、朝から熱い紅茶を飲んでいる。
朝食もとらないまま、身支度が済むと、家から駆け出したのだった。
「おいリディア、トーストはいいのかよ!!」
というニコの声を聞きながら。
学校に着くと、時計は8:35になっていた。
教室に入ると、すでに皆揃っており、朝のHRがが始まっていた。
「とりあえず席につきなさい。」
先生に言われ、とりあえず座る。
そのまま朝のHRが終わると、先生に呼び出された。
「この紙に必要事項を記入して、放課後に生徒会長に出していきなさい。」
「はい……。」
紙(遅刻届)を受けとって、リディアはすごすごと自分の席についた。
『初日から遅刻なんて…』
そう思うと、情けなくてため息が漏れた。