NOVEL3

□幼なじみLOVE☆3
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第3話


〜気まずい記憶と日常〜



リディアにとって気まずい記憶、それは………。










エドガーが10歳、リディアが7歳の時のことだ。

二人はいつものようにあの森にいた。

「わあー、きれい//」
リディアはかわいらしい真っ赤な花を見ていた。

「ね、僕の言った通りだろう?」

「うん!!」


それは、二日前の話に遡る。


「この蕾、もうちょっとで咲きそうね。」
《この蕾》とは、さっきの赤い花のことだ。

「そうだね。」

「明日には咲くんじゃない?」

「……いや、明後日だよ。」

「どうして?」

「蕾がまだ堅いから。」

「堅い??」
そうかしら?
リディアは頭の上に?をいっぱい浮かべている。

「……この花、ピンク色よね?」
リディアはさっきの話はよくわからなかったので、
今度は別の質問をしてみた。

「赤だと思うよ。」

「えー?だって、蕾の先、ピンク色してるじゃない?」

「それは、蕾だからそう見えるだけ。」

「……ピンクよ…。」

「じゃあ、どっちがあってるか賭けてみる?」

「そんなの、あたしの勝ちよ。」

「さあ、どうかな?」





こんな出来事だ。

まあ結局、2つともエドガーの言う通りだった。

「エドガー、すごいのね。」

「そうかな…普通じゃない?」

「すごいよ。未来がわかるんだもん!!」
リディアはウキウキしているが、

「いや、……植物のことを知っていれば誰でも……。」
と、エドガーはモゴモゴと呟く。

が、リディアはそんなエドガーをお構いなしに、

「エドガーって、未来を予知できるんだ〜。」
なんて、ものすごく脳天気に、しかも感心しているように言う。

そこまで感心されて、違う、と言えなくなったエドガーは、

「うん……まあ、そんな感じ…かな。」
と、言葉を濁しておいた。









次の日。

二人で森まで来ると、昨日の花が枯れていた。

「どうしたんだろう……。」
エドガーがそう呟いている隣で、リディアは小妖精を見つけた。

悪戯っ子のブラウニーだ。

「ブラウニー、あなたね?」

リディアがよくよく聞き出すと、
ブラウニーは悪意があってやったわけではないようだ。

夜になると花は蕾になる。
しかし、この小さなブラウニーはそれを知らなかったので、
花が萎れてしまった、と勘違いしたようだ。
そして、間違った魔法をかけてしまい、花を枯らしてしまったらしい。

「エドガー、ブラウニーがやったみたい。でもわざとじゃないわよ。」

リディアは枯れてしまった理由をエドガーに教える。

エドガーは、リディアと二人で見守った花を枯らされて腹が立ったらしい。
だから、心にもないこと言ってしまった。

「わざとだろう?」

「違うわ。妖精は嘘をつかないから、この子の言う通りよ。」

「リディアはそういうけど、そいつ、アンシーリーコートなんじゃないの?」

「善良な妖精よ!!見えもしないくせに適当なこと言わないで!!」
リディアはエドガーの捻くれた考えに対して怒ったのだが、
エドガーにとってははグサッとくる言葉だった。
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