NOVEL3

□幼なじみLOVE☆5
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第5話


〜面倒な儀式(セレモニー)と自覚した恋心〜



今日もリディアの悩みの種が勃発していた。

「今日は《新入生歓迎会》があります。」
先生が言う。

「「はーい。」」

「で、その時のクラス紹介は会長に任せる。」

「っえ゛。」
リディアは素っ頓狂な声を上げた。

「困ったことがあったら副会長に手伝ってもらえ。」

「……はい。」
返事をしたものの、リディアは既に家に帰りたい気持ちになっていた。

リディアはもともと人前に出るのが苦手だ。
しかも、新入生歓迎会ということは、
先輩たちに向かってクラス紹介しなければならないということだ。


とにかくリディアは朝のHRが終わると、さっそく内容を考え始めた。



**********

そのころエドガーは…


「今日は新入生歓迎会だからな。しっかり頼むよ。」
エドガーは朝から何度も耳にタコができるほど言われていた。

「わかってますよ、先生。」

先生が生徒会長室から出て行くとエドガーはうなだれた。


はあ〜、面倒だ。
新入生とか、もう入学式をしたんだからどうでもいいじゃないか。

………でも、今年はリディアがいるからマシかな?

まあ僕にとっての可愛い後輩はリディアしかいないからね。
あ、まあ恋人でもあるけど。



エドガーは頭の中をぐるぐるさせながら、スピーチの原稿を書きにかかった。



**********

「手伝おうか?」
リディアが文章を考えているとダネルが声をかけてきた。

「うん。」
リディアは素直に言う。

「珍しいな。」

「何が?」

「いつもならなんか…警戒?っていうか、ガードが堅いから。」

「今それどころじゃないの。」

「で、何をすればいい?」

「……じゃあ、……うーん……。」

「って、考えるようなこと?」

「紹介って、どういうこというのかな?と。」

「……紹介というか、上級生への挨拶みたいなものでは?」

「挨拶ね。………で、挨拶って?」

「挨拶だろ。」

「……ダネル、役に立たないわね。」

「………(ムカッ)」

「やっぱりあたしが考えるからいいわ。」

「どうぞご勝手に。」





こんな会話をしていた時、いきなりリディアにとって厄介な人物が入ってきた。

「やあリディア。」

「……何の用?、エドガー先輩。」

「用なんてないよ。暇だったから。」

「あたしは忙しいの。どっか行ってくださらない?」

「ご機嫌斜めだね。」

『あなたのせいよ!』
リディアは一気に不機嫌になる。

「ところで何してるの?」

「クラス紹介の挨拶を考えてるの。」

「…なんでキミが?」

「会長だからよ。」

「え、リディアってクラス会長だったの?」

「不本意だけど…。」

「へえ。頭いいんだ。」

「何よ……。」

「僕もさっきまで歓迎会の原稿書いてたんだ。お揃いだね。」

「全然嬉しくないわ。」

「なんなら僕が書いてあげようか?」

「けっこうですから、どっか行って。」

「……じゃあ他の男と仲良くしないでね。」
ダネルをチラッと一瞥しながらエドガーが言う。

「そんなのあたしの勝手だわ。っていうか、ダネルは副会長なの!」

「それは厄介だね。」

「あたしも厄介な仕事と彼氏に悩まされっぱなしだわ。」

「厄介てねー、僕たちは愛しあってるだろ?」

「ハァ。………とにかく何処か行って!!」

リディアは大声で言った。
エドガーはしぶしぶと戻っていった。
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