NOVEL3
□幼なじみLOVE☆5
1ページ/7ページ
第5話
〜面倒な儀式(セレモニー)と自覚した恋心〜
今日もリディアの悩みの種が勃発していた。
「今日は《新入生歓迎会》があります。」
先生が言う。
「「はーい。」」
「で、その時のクラス紹介は会長に任せる。」
「っえ゛。」
リディアは素っ頓狂な声を上げた。
「困ったことがあったら副会長に手伝ってもらえ。」
「……はい。」
返事をしたものの、リディアは既に家に帰りたい気持ちになっていた。
リディアはもともと人前に出るのが苦手だ。
しかも、新入生歓迎会ということは、
先輩たちに向かってクラス紹介しなければならないということだ。
とにかくリディアは朝のHRが終わると、さっそく内容を考え始めた。
**********
そのころエドガーは…
「今日は新入生歓迎会だからな。しっかり頼むよ。」
エドガーは朝から何度も耳にタコができるほど言われていた。
「わかってますよ、先生。」
先生が生徒会長室から出て行くとエドガーはうなだれた。
はあ〜、面倒だ。
新入生とか、もう入学式をしたんだからどうでもいいじゃないか。
………でも、今年はリディアがいるからマシかな?
まあ僕にとっての可愛い後輩はリディアしかいないからね。
あ、まあ恋人でもあるけど。
エドガーは頭の中をぐるぐるさせながら、スピーチの原稿を書きにかかった。
**********
「手伝おうか?」
リディアが文章を考えているとダネルが声をかけてきた。
「うん。」
リディアは素直に言う。
「珍しいな。」
「何が?」
「いつもならなんか…警戒?っていうか、ガードが堅いから。」
「今それどころじゃないの。」
「で、何をすればいい?」
「……じゃあ、……うーん……。」
「って、考えるようなこと?」
「紹介って、どういうこというのかな?と。」
「……紹介というか、上級生への挨拶みたいなものでは?」
「挨拶ね。………で、挨拶って?」
「挨拶だろ。」
「……ダネル、役に立たないわね。」
「………(ムカッ)」
「やっぱりあたしが考えるからいいわ。」
「どうぞご勝手に。」
こんな会話をしていた時、いきなりリディアにとって厄介な人物が入ってきた。
「やあリディア。」
「……何の用?、エドガー先輩。」
「用なんてないよ。暇だったから。」
「あたしは忙しいの。どっか行ってくださらない?」
「ご機嫌斜めだね。」
『あなたのせいよ!』
リディアは一気に不機嫌になる。
「ところで何してるの?」
「クラス紹介の挨拶を考えてるの。」
「…なんでキミが?」
「会長だからよ。」
「え、リディアってクラス会長だったの?」
「不本意だけど…。」
「へえ。頭いいんだ。」
「何よ……。」
「僕もさっきまで歓迎会の原稿書いてたんだ。お揃いだね。」
「全然嬉しくないわ。」
「なんなら僕が書いてあげようか?」
「けっこうですから、どっか行って。」
「……じゃあ他の男と仲良くしないでね。」
ダネルをチラッと一瞥しながらエドガーが言う。
「そんなのあたしの勝手だわ。っていうか、ダネルは副会長なの!」
「それは厄介だね。」
「あたしも厄介な仕事と彼氏に悩まされっぱなしだわ。」
「厄介てねー、僕たちは愛しあってるだろ?」
「ハァ。………とにかく何処か行って!!」
リディアは大声で言った。
エドガーはしぶしぶと戻っていった。