NOVEL3
□幼なじみLOVE☆8
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第8話
〜掛けられた魔法とその後の事件〜
事件が起こったのはその日の昼。
いつも通り、エドガーと昼食をとっていた。
今日はレイウ゛ンも一緒だ。
「リディア。食べさせてあげるよ。」
エドガーは早速馬鹿げたことを言い出す。
「けっこうですから!!」
「…僕の願望なんだけどな。」
「意味わかんないわよ。」
「じゃあリディアが僕に食べさせてくれない?」
「そ、そんな恥ずかしいこと……///」
「じゃあ口移しで♪」
「もっと嫌よ!!///」
エドガーとリディアがこんな恥ずかしい会話をしている中、レイウ゛ンはいつも平然としている。
「レイウ゛ン…うるさくてゴメンなさい…」
リディアがレイウ゛ンに謝る。
「いえ。気にしてませんから。」
レイウ゛ンはまたもや平然と答える。
「リディア……レイウ゛ンより僕に構ってよ。」
エドガーが拗ねたように言う。
「エドガーとはいつもおしゃべりしてるじゃない。」
「まあね。恋人なんだから。」
「たまにはレイウ゛ンとも…」
とリディアが言いかけたとき、教室のドアが思い切り開いた。
「ここにいたか!!」
………ケルピーだ。
リディアにいきなり結婚しろとか言ってきた張本人。
そして、リディアにとってもっとも意味不明な人。
……いや、妖精。
「リディア、探したぞ。」
ケルピーが大声で言う。
「リディア、彼は誰だい?」
エドガーがいつもより低い声で問う。
機嫌が悪い証拠だ。
「……お前がリディアの恋人か。…この女たらしが。」
ケルピーはエドガーに向かっていう。
「もう過去は清算したんでね。今はリディア一筋だ。」
「どうだかな。」
「君も僕と同じ3年だね。」
「ああ。だが、お前に用はない。リディアに用があって来たんだ。」
「じゃあ僕を通してからにしてくれ。リディアは僕の恋人だ。」
リディアはハラハラしながら二人を交互に見る。
レイウ゛ンはケルピーのことを睨んではいたが、黙っている。
………ハア。
ケルピーは盛大なため息をついた。
「リディアはなんでこんな軽い男と付き合ってるんだ……」
「軽い?僕はリディアに溺愛してるんだ。軽いなんて言われる筋合いないね。」
『《溺愛》って…そういうのは自分で言うものかしら??』
リディアは思う。
「リディア。顔貸せ。」
「な、なんでですか?」
リディアは挑戦的な口調で言った。
「なんでって……じゃあここでもいいか。」
ケルピーはそう言うと、不意にリディアに近づいた。