NOVEL3

□恋愛ゲーム1
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第1話


〜婚約相手は最低男〜



「はあ……嫌だな…。」
リディアは目覚めたとたんにため息をつく。

だって、昨日見てしまったんだもの……


**********
昨日。

リディアが買い物をしていた時のことだった。


建物の角を曲がろうとしたとき……

「あなた、私以外に何人恋人がいるわけ?」

女性の声がしたのでリディアは足を止めた。

まあ恋人同士の喧嘩かな?とか思って通り過ぎようとしたのだけれど…

「何の話?」

そう言った男性のことを見てリディアは固まった。

「とぼけても無駄よ。」

「………20人くらいかな?でも愛してるのは君だけだよ。」




エドガーだ………
エドガーはリディアに(仮)婚約者として紹介された男性だ。


『エドガー、恋人いたんだ……』
……じゃなくて!!

に、20人ですって!!

なんて最低な男なの!?

しかも、愛してるのは君だけだ?
ふざけるのもいい加減にしなさいよ!!


リディアは心の中でエドガーの悪態を突きまくる。


それなのに……


「私もそうだと思ってたわー。」


ガクッ……


リディアはずっこけそうになった。

『え?信じるのー??』
リディアにしてみればありえない感覚だ。
まあお相手はどこかのお嬢様っぽい人。
世界は自分中心と思っているのかもしれない。



さて、ここまでの会話は100歩譲って許すとしよう。
(リディアにとっては他人事だし)

しかし。


「ねえエドガー、貴方、婚約の噂がたってるけど、それって本当なの?」


ぎくっとリディアは身を強張らせる。

「本当だよ。」

「え!?」

「でも、しょせん父上が勝手に決めた話。僕は婚約する気も結婚する気もさらさら無いよ。」

「ふふっ、よかった♪」

「ただ、結婚ごっこに付き合ってあげてもいいかな、って思って。」

「結婚ごっこ?」

「まあ婚約とか結婚のまねごと、みたいな感じだよ。」

「……で、お相手はどんな方なの?」

「可愛くて可憐な子。でも…僕にはちょっと子供すぎるかな?歳は17だそうだし。」

「あら、貴方には年上の方がお似合いよ。」

「つまり、君のような?」

「そういうこと。」

「でもね、うぶな子ほどからかってみたくなるじゃないか。」

「あら、悪趣味だこと。」
女性はそう言ってエドガーに抱き着く。


「ねえ、今夜はエドガーと過ごしたいわ。」
女性は甘えたように言う。

「しょうがないな。僕の今夜を君に捧げてあげよう。」

「ふふっ、ありがとう」



**********
その後、二人は人混みに消えて行った。
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