NOVEL3
□恋愛ゲーム6
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第6話
〜彼とお嬢様の関係と絶不調な彼女〜
〜♪
エドガーの部屋の電話がなる。
「エドガー様、どうぞ。」
レイヴンが受話器を取ってエドガーに渡す。
「もしもし?」
エドガーが出る。
『こんばんは、夜分にごめんなさい……私のこと…覚えてる?』
相手はしおらしく大人しい口調。
すずのように透き通った声。
「あぁ…フェリシア?」
『ええ、良かった。エドガーお兄様…。ちゃんと覚えててくれて。』
フェリシアは嬉しそうだ。
「幼なじみの声を忘れるほどバカじゃないよ、僕は。」
『嬉しいわ…。』
「突然どうしたんだい?」
『別にとくに何もないのよ?ただ、最近エドガーお兄様の声…聞いてなかったから聞きたくなったの。』
「相変わらず淋しがり屋だね、フェリシアは。」
『それにお兄様、すごく女性に人気あるから…他の女性とお付き合いしてるうちに私のこと…忘れてしまうかもって…不安で…。』
「それはないよフェリシア。君は他の女性たちとは違う。僕の《特別》だから。」
『ふふっ…だって私はエドガーお兄様の妹だものね。』
「ああ。一人っ子の僕にとって、君は幼なじみであるより可愛い妹なんだ。」
『私だってエドガーお兄様を慕ってますわ。頼りになるし一緒にいて心強いんですもの。』
「そう?とにかく君が元気そうで何よりだ。フェリシアは小さい時から身体が弱くてあまり家から出なかっただろう?」
『そうね。でも今は元気な健康体なのよ?ただお父様が心配性だから…。』
「一人娘のことが心配じゃない父親はいないんじゃないかな?」
『でもお父様は心配《しすぎ》ですわ。』
フェリシアは困ったような声で言う。
「まあ確かにね。」
エドガーはクスクス笑う。
『……エドガーお兄様……。久しぶりに会いたいから今度私の家に来てくださいませんか?』
「いいよ、もう1、2年くらい顔を合わせてないよね。」
『ええ。エドガーお兄様、きっと前よりますますかっこよくなってますわね。』
「そんなに変わってないよ。……じゃあ日時はいつがいい?」
『エドガーお兄様の都合がつく時ならいつでもよろしいですわ。』
「わかった。後でまた連絡するね。」
『楽しみにしてますわね。』