NOVEL3
□恋愛ゲーム13
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第13話
〜彼女の計画と彼の豹変〜
「……リディアってば、何をしているのかしら?」
フェリシアは物陰からこっそりリディアを覗く。
なにやらリディアは花壇に微笑みかけている。
現在彼女は、リディアの尾行をしているのだ。
それはエドガーとリディアとの仲を壊すためであり、その準備のためにリディアの日常の行動パターンを調べている。
リディアはたいてい午前中は家に篭っていて外には出てこない。
昼になると日陰の花壇に水やりをしていたり、庭で読書していたりする。
午後は買い物に出掛ける日は街に行き、出掛けない日は……植物研究(?)らしきことをしているようである。
彼女の家はフェリシアほどの大金持ちではないが結構裕福らしい。
なにせ、リディア専用の植物園があるくらいなのだから。
そして、夕方になると毎日と言っていいほど頻繁に公園に散歩に出掛ける。
公園で花壇や木々に向かってときどき話し掛けたりして…
何か小動物でも住んでいるのかもしれない。
とりあえず、ここまでがリディアを尾行してわかった彼女の日常だ。
もちろん、その日常の中にはエドガーが介入してきたりもするのだけれど。
「…毎日この公園にやって来るって習慣は役に立ちそうですわ♪」
フェリシアは上機嫌で家に帰る。
「公園にエドガーお兄様とリディアを呼び出して私が彼に抱き着くなりなんなりしたらどうかしら?」
「……レディ・リディアって頭がいいんですよ?ハーバードの大学教授の娘ですからね。呼び出したりしたら勘繰られます」
「??それはリディアのお父様の職業であって、リディア自身の能力ではないのでしょう?彼女、中卒よ?」
「独学できるほどの才能をお持ちのようです。調べたところ、レディ・リディアは中学時、つねに首席だったみたいですし」
「嘘!?そんなに頭がいいの??」
………私は…身体が弱くて学校になかなか登校できなかったせいもあるけれど、
私立のいわゆるお嬢様校の中学でも首席なんてとったことないわ!
というよりも学年の半分いけばいいほうだと思ってましたもの!
「彼女がちょうど来る時間帯に貴女が彼を呼んで鉢合わせになるほうがいいのでは?」
その言葉にフェリシアはにやりとほくそ笑んだ。