NOVEL3
□幼なじみLOVE☆8
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「え……?」
ケルピーはリディアに向けて手をかざす。
とたんに《魔力だ!》と気づいたが、リディアはその場を動けない。
サッ………
すぐさま動いたのはレイウ゛ンだ。
そして、レイウ゛ンがリディアを庇おうと抱き抱えた瞬間、強い光が放たれた。
光が消えたと同時にリディアとレイウ゛ンはその場に倒れた。
「リディア!?レイウ゛ン!?」
エドガーは急いで二人に駆け寄る。
息はしている。
どうやら二人とも気を失っているだけのようだ。
エドガーはホッとするとケルピーに向き直った。
「二人に何をした!!」
「リディアに俺を好きになるように魔法を掛けようとしたんだ。」
ケルピーは堂々と言う。
「なんだって!?」
「でも、失敗した。こいつがでしゃばるから。」
レイウ゛ンを指さしながらケルピーは言う。
普段のレイウ゛ンなら女性を助けようなんてしないだろう。
でも、リディアはエドガーの恋人だ。
レイウ゛ンはエドガーのためにリディアを助けようとしたのだ。
エドガーは申し訳なくなりながら言った。
「レイウ゛ンを保健室まで運んでくれ。」
ケルピーに命令する。
「は?」
「僕はリディアを運ぶ。」
「なんで俺がそんなことをしなきゃいけないんだよ!!」
「お前がやったことだろ。」
エドガーがそう言うと、ケルピーは渋々とレイウ゛ンを持ち上げた。
「…俺はどっちかというとリディアを運びたい。」
「僕の恋人に手だしはさせないよ。」
エドガーはそう言って、保健室に向かった。
「……なんて勝手な奴だ…」
自分もリディアに勝手に魔法を掛けようとしたのに、
ケルピーはそんなことなんて忘れて、本気でそう思ったらしかった。
本当に、リディアはなんであんな男と付き合ってるんだ?
騙されたんじゃないのか?
……大体、リディアにあんな不誠実な男、似合わないっての。
ケルピーはそんなことを考えていた。