NOVEL3
□幼なじみLOVE☆8
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リディアとレイウ゛ンが目を覚ましたのは放課後になってからだった。
二人は同時に目覚めた。
「二人とも、大丈夫か?」
エドガーが二人に話し掛ける。
「エドガー様…何があったんでしたっけ?」
「あれ、ここ、どこかしら。」
二人はそんなことを言う。
「覚えていないのか?」
エドガーは問う。
「何をですか?」
「ケルピーに魔法を掛けられて、気を失ったこと。」
「「魔法?」」
どうやら二人とも覚えていないようだ。
さらに、エドガーにとってショックなことが起こった。
「リディアさん、大丈夫ですか?」
なぜかレイウ゛ンがリディアに向き直る。
「ええ、平気みたい。」
リディアはレイウ゛ンに最高級の笑顔を向ける。
おかしい。
非常におかしい。
まるで恋人みたいだ。
エドガーはそう思った。
「二人ともどうしたんだ?変だよ。」
「「?」」
二人とも不思議そうな顔をする。
「大体、レイウ゛ン。僕のリディアに手を出さないでくれ。」
「え?私のリディアさんですが?」
「いつ誰かエドガーのものになったのよ。あたしが好きなのはレイウ゛ンだわ。」
二人の言葉を聞いてエドガーは愕然とした。
『な、なんだって!?』
二人がおかしくなったのはおそらく魔法のせいだ。
いや、それしか原因が考えられない。
「リディアさん、一緒に帰りましょうか。」
「レイウ゛ンの家に寄って行ってもいい?」
二人の会話が進んでいる。
………レイウ゛ンの家って…つまりは僕の家じゃないか!?
二人はどうやらお互いを好きになっただけでなく、人格も変わってしまったようだ。
「はい、いいですよ。」
「まあ、嬉しい//」
「ちょっと待て、誰の許可を得て言ってるんだ、レイウ゛ン。」
「……エドガー様、リディアさんを家に連れて行ってもいいですか?」
レイウ゛ンは素直に許可を求めているようだ。
「リディアが来てくれるのは嬉しいが、…レイウ゛ンの恋人として、というのはおかしいだろう。」
「……そうですか?」
「何がおかしいのよ。」
………多分、今は何を言っても通じないだろう。
そう考えたエドガーは、仕方なくリディアを連れ帰るのを許可した。
「じゃあ、二人は先に帰っていてくれ。…僕は後から行く。」
「はい、わかりました。」
レイウ゛ンはそう言うとリディアと手を繋いだ。
イラッとしたが、相手はレイウ゛ンだ。
エドガーは何も言えずに二人を見送った。
『とにかくなんとかしなければ……』
エドガーはそう考えると、ケルピーのところへ向かった。