NOVEL3

□幼なじみLOVE☆8
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エドガーはあの頃いた森の奥へとリディアを引っ張っていく。

「ちょっと、痛いわ…。」

「ゴメン…。」
エドガーはリディアに向き直る。

「何よ…」
リディアがそう言ったと同時にリディアの口を自分のそれで塞いだ。

「……んっ」
リディアはエドガーを押しのけようとしている。
が、エドガーにがっちり捕まれているので押し返せない。



バシッ………


キスが深くなったところで、小気味よい音が森に響いた。
リディアの平手打ちがエドガーに命中したのだ。

「なに……するのよ!!」
リディアは肩で呼吸をしながら怒る。

「………。」
エドガーは何も言わない。

「幼なじみでもやっていいことと悪いことがあるでしょ!!」
リディアはさらに言う。

「……幼なじみ?」
エドガーは返す。

「違うの?」

「恋人だ。」

「だから、そんなわけないでしょ……。」

リディアは言葉を切った。
エドガーがあまりにも悲しそうな顔をしていたからだ。

「僕はキミが好きだよ。」
エドガーが突然言った。

「え?」

「たとえキミが僕のことをどう思っているとしても……」

「エドガー、ふざけないで……」

「ふざけてなんかいない。本気だよ。」
エドガーが真剣な目で言う。
そして、再びリディアを引っ張って奥へと進む。

少しすると視界が開けた。
森の一面に赤い花が咲いている。
エドガーとリディアの思い出の赤い花が。(第3話参照)


「あっ………」
リディアの頭の中に記憶が過ぎった。
どうやら思い出したようだ……。

「リディア、僕は…。」
エドガーが何か言いかけた時。

「エドガー……」
リディアのか細い声がした。

「リディア?」

「ごめんなさい……。」

「え、戻ったのか…?」

「あたし、なんであんな酷いこと………」

すべて思い出したようだった。

「リディア!!」
エドガーは嬉しくてリディアに抱き着いた。

「ちょっと///」

このくらいのことですぐ赤くなるのはいつものリディアだ。

「よかった……」
エドガーは急に切なそうな顔をする。

「エドガー……?」

「このまま戻らなかったらどうしようかと思った…。」
エドガーらしくない弱気な言葉。

それだけ傷ついたということだ。

『ああ、あたしはまたしてもエドガーを傷つけたんだ………』
リディアはうなだれた。

「本当に…ごめんなさい。……」

「リディアは悪くないよ。魔法のせいだろう?」

たしかにそうだ。
でも…、
…リディアは聞いた。

「あたしのこと……嫌いになった…?」
聞かずにはいられなかったことだ。

「そんなわけないだろう!!大好きだよ。」
エドガーは間髪入れずに答えた。

「でも、また傷つけた……わ。」

「《また》って、この赤い花のこと?あの時は全然傷ついてないって。」

「………。」

「まあ今回はちょっと傷ついたけどね。」
エドガーはからりと笑いながら言った。

「ごめんなさい……」

「リディアがキスしてくれたら許してあげる。」
エドガーが調子に乗り始める。
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