NOVEL3

□恋愛ゲーム1
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「リディア、元気がないね。」
カールトンが言う。

「…………。」

「悩み事かい?」


今リディアは朝食をとっていた。
しかし、あまり食欲は出ない。

「ねえ父様……」

「なんだい?」

「あたしには婚約なんて早いと思うの。…まだ17だし。」
あの二人の会話がリディアの心に突き刺さる。

「いや、歳は関係ないだろう?」
カールトンはどうしてもリディアにエドガーとの結婚を勧めたいようだ。

「………もういいわ。」
リディアは立ち上がって自分の部屋に行こうとしたが呼び止められた。

「今日アシェンバート家に招待されているのだが…」

「あたしは欠席だって言っておいて。」
リディアは即答する。

「そういうわけにもいかない。リディアだって彼(社長)にはいろいろお世話になっただろう?」

そうなのだ。
リディアが小さい時。
カールトンが大学が忙しくて家を空けてる時には、
彼はしょっちゅうリディアの様子を見に来てくれ、
そして一緒に遊んでくれた。

『私もこんな可愛い娘が欲しかったな。』
なんて言いながら。


今思うと、彼も大財閥の社長なのだからかなり忙しかったはずだ。

そう考えると申し訳なくなってくる。



『そうよ、エドガーが悪いのであって、社長さんは全然悪くないわ。』


「わかったわ。行くわよ。」
リディアはそう答えていた。















アシェンバート家。

「今日はお招きいただきありがとうございます。」

「いやいや、こちらこそお越しいただきありがとう。」
そして父親同士、いや、親友同士の会話が弾み始める。


リディアも社長には軽く挨拶したが、エドガーのことは華麗に無視した。
だって、腹が立つじゃない。


しかし、リディアの気分は穏やかだった。


アシェンバート家の屋敷はとても大きく、庭の敷地もとても広い。

しかも、そこら中に花が咲き乱れていた。

だから妖精もいっぱいいるのだ。
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