NOVEL3
□恋愛ゲーム1
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「ねえ、質問していい?」
エドガーはのんきに聞く。
「…………。」
「じゃあ勝手にするね。」
「え……」
「リディアの初体験はいつ?」
「はあ?///」
「あ、もしかしてまだ?」
「っ…ふ、ファーストキスだってまだ……って何言わせるのよ!!!」
リディアは憤慨する。
「言わせてないよ。リディアが勝手に言ったんだろう?」
「……父様たち、どこ?」
「そんなこと聞いてどうするの?」
「貴方と二人きりなんて不愉快よ。」
「僕は愉快だけどな〜。」
ムカつく………
リディアは正直に感情を顔に出した。
「怒った顔も可愛いね。」
「エドガー様、貴方そうとう頭がいかれているようね。」
エドガーは愛想よい笑顔をはりつける。
しかし心の中は動揺しまくりだ。
『いかれてる?そんなこと生まれて初めて言われたんだけど…』
「じゃあ話を変えよう。」
「話なんかしなくて結構よ。」
「つまらないじゃないか。リディアの恋バナとか…」
「黙っててくださる?」
リディアはぴしゃりと言った。
「はい…。」
エドガーはとりあえず、黙ってリディアを観察することにした。
どうやらいつもと同じにはいかないようだ。
『女性なんて皆同じだと思ってたのに……』
エドガーは今、ちょっとくじけている。
が、そんなことをしている場合じゃない!!
『この僕が《たかが小娘》にてこずっている?冗談じゃない!』
またやる気が、いや…闘志が燃え上がったようだ。
そんなことを知らないリディアは薔薇園を見渡している。
「ねえリディア。」
「えっ!?」
エドガーは急にリディアに接近する。
「してみない?初めてなんだろう?」
エドガーはリディアの顎に指を這わす。
「な…にを…」
「キス。」
エドガーの端正な顔が近づいてきたので、リディアは思わず平手打ちした。
「っ…………。」
「貴方が悪いのよ!!///……でも、ごめんなさい…」
リディアにしおらしくそう言われて、エドガーは苦笑した。
「そんなに嫌だった?まだ何もしてないのに。」
「……そういうことは、好きな人とするものだもの。」
リディアはムスッとして言った。
そんな顔もまた可愛い。
「リディア、好きだよ。」
「貴方の場合は…女性全員、が好きなんでしょ!!」
「まあそこは否定しないけどね。」
「ほんっと最低!!」
リディアはそう言い放つと薔薇園を出ていってしまった。
エドガーは今まで付き合ってきた女性の誰もがもっていなかった魅力を
リディアは持っているような気がして少し心惹かれた。
しかもリディアはめちゃくちゃおもしろい。
リディアに出会ってから楽しいことも増えた気がする。
リディアのさっきの顔が可愛くて、そして愉快で、
エドガーは平手打ちされたにも関わらず、
とうとう我慢がきかずに大笑いし出した。