NOVEL3

□恋愛ゲーム5
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「ねえ、エドガー…?」
リディアを助手席に乗せてエドガーが運転席に座るとリディアが尋ねてきた。

「なに?」

「エドガーが…運転するの?」
エドガーはリディアが何を言いたいのかわからない。

「うん、そうだけど…何かおかしい?」

「ううん。ただ、エドガーみたいな御曹子だったら、普通屋敷で運転手とか雇うでしょう?」

「あぁ。……父上にはきちんと運転手がいるよ。」

「エドガーにはいないの?」

「……………。いないっていうか、自分で運転したいから拒否した。」
エドガーは一瞬なんて言おうか迷ったがこう言った。

「ふーん?まあいいけど。自分で好きなときに恋人のところに行けるものね。」
リディアは皮肉たっぷりに返す。

「…まあそういうことにしておいてくれてもいいけどね。」
エドガーは苦笑する。

「え…違うの?」

「うーん………後で説明するよ。それより。」
エドガーがリディアに近づく。

リディアは反射的にのけ反る。
「な、なに?」

「この前渡したいものがあるって言って、渡してなかったから。」

「え?」
エドガーに手渡しされたのは指輪だ。
それを見てリディアは…

「もう!プレゼントはいらないって言ったでしょう!!」

リディアがそう言った瞬間エドガーは大爆笑した。

「プレゼント!!………そうだね……プ、プレゼントってことにしておいてもいいよ(笑)」

「え………じゃあ…これは…?」

「エンゲージリング。リディアにだって解るだろう?」

「…………………。」
エドガーにそう言われたリディアはしげしげと指輪を眺め……
それから我に返ったのか

「い、いらないわよ!!」
と叫ぶ。

「どうして?キミは僕の婚約者だろう?」

「か、仮のでしょ!」

「え?僕は本気で結婚するつもりだけど?」
エドガーはわざとすっとぼけたような顔をする。

「あたしが困るわ!!」

「この先僕以上の男なんて現れないよ?」

「自信過剰男って嫌いなの?」

「え〜?事実を言っただけなのに。」
悪びれた様子はない。

「こんなに拒絶してるんだからちょっとはくじけなさいよ!」

「僕の辞書にくじけるとか諦めるって言葉は載ってないんだ(笑)」
完全にふざけている。

「それより…はやく出発してよ。」
おふざけが永遠に続きそうだったのでリディアは話を変えた。
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