NOVEL3
□恋愛ゲーム5
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「とにかく、その指輪は持っててね。指につけなくてもいいから。」
エドガーはそう言うとリディアの言う通り、車を出発させた。
「あたしは…貴方に指輪なんてあげないわよ。」
「そのことについては心配ない。」
「ど、どうして??」
「もうキミの父上からもらったから。ほら。」
「あ゙!?」
エドガーは首からチェーンを取り出す。
指輪の内側にはリディアからエドガーへという意味のイニシャルが入っていた。
「と、父・様〜〜〜(怒)」
「怒ったリディアも可愛いよ。安心して?」
「はぁ〜?意味不明なこと言ってるんじゃないわよ!!」
「クスクス。」
エドガーは笑う。
最初は深刻な顔だったのに今日のエドガーは笑ってばかりだ。
「………エドガー、行く前に花屋に寄って!」
リディアは半ばヤケになって言う。
「はいはい。」
エドガーはこの上なくリディアとのこの状況を楽しんでいた。
花屋につくとエドガーがドアを開けて手を差し出す。
「いらないわよ、そんなの。あたしはお嬢様じゃないの。」
「僕がやりたいだけだよ。」
「あたしはエドガーの手を取りたくないわ。」
「相変わらずつれないね。」
エドガーはそう言いながらも折れてくれたらしい。
手を引っ込めた。
「わあ///綺麗〜!」
花屋に入るとリディアは途端に騒ぎ出す。
「リディアは花が好きなの?」
「うん!大好き。あたし、自分の植物園を持っているのよ!」
「ふーん。僕にくれたあのミニバラもその植物園のやつ?」
「そうよ!植物って最高なんだから。」
リディアははしゃぐ。
「…手入れは大変だけどね。」
エドガーは少なくともそう思う。
なんだかリディアの新しい面を見たような。
こんなにはしゃいでいるリディアを見たのは初めてかもしれない。
いつもは機嫌が悪くて僕は仏頂面ばかり見ている気がするが。
エドガーはリディアをまじまじと眺めた。
そしてリディアの笑顔につられて自分も微笑んだ。
無意識のうちに。