NOVEL3
□恋愛ゲーム6
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「フェリシアお嬢様からですか?」
レイヴンが尋ねる。
「ああ。」
エドガーは机の上においてある写真立てを撫でた。
フェリシアの写真だ。
太陽のした、儚げに、でも天使のように屈託ない笑顔を浮かべた少女だ。
「今度会いに行くんだ、フェリシアに。」
「そういえば最近会ってないですね。………嬉しそうですね、エドガー様。」
「ああ、なんたって僕の可愛い妹だしね。」
「お体の方は大丈夫なんでしょうか?」
「大丈夫らしいよ。……でも心配だよ…。」
エドガーは言ってから恥ずかしそうに顔を背けた。
「《心配する》なんて僕には似合わないな///」
エドガーは呟いた。
レイヴンは嬉しそうなエドガーを見て微かに笑った。
「アル。」
「なんでしょう、フェリシアお嬢様。」
「エドガーお兄様が今度家に来てくださるって!」
フェリシアは最高の笑顔を向ける。
「それはよかったですね。」
「ねえ、あなたがこの間言っていたえーと……《リディア》って子のこと、エドガーお兄様はどう思ってるのかしら?」
「…さあ?でも彼女はお嬢様やエドガー様のように財閥の跡取りではありませんよ?」
「……だとしても、油断はできないじゃない。ただ、エドガーお兄様は言ってくれたわ。」
「なんと?」
「わたしは他の女性とは違うって。《特別》なんですって。…」
フェリシアはそれから俯く。
「お嬢様…?」
「でもエドガーお兄様は気づいてくれないの…私が《一人の男性として》お兄様を慕ってるってこと。」
「そのうち気づくでしょう。それに…あの女性だって一時の戯れ。いずれエドガー様も目を覚ましますよ。」
「それだと嬉しいのだけれど……。」
フェリシアは側にある鉢植えのバラを指で弄んだ。