NOVEL3

□恋愛ゲーム6
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「やあフェリシア。」
さっそく電話をした週の土曜日にエドガーはフェリシアの家にやって来た。

「エドガーお兄様!」
フェリシアはエドガーに抱き着く。

フェリシアからバラが香る。

「綺麗になったね。」
大人っぽくなったな、とエドガーは思う。
でも、あの時と変わらない栗色の茶髪。
空色の瞳。
真っ白な肌。
エドガーはなんだか懐かしくなってくる。


「ほんと?嬉しい!」
フェリシアはエドガーの背中に回した手にさらに力を入れる。

「アルも久しぶりだね。」

「はい、お久しぶりですエドガー様。」
エドガーとアルも挨拶を交わす。


その後…
「ねえ…エドガーお兄様はずっとわたしのお兄様?」
フェリシアが突然尋ねてきた。

「ああ。ずっと君の兄だよ。」
エドガーは驚いたが微笑みながら答える。

「ならずっと一緒にいてくれます?」
フェリシアは潤んだ瞳でエドガーを見上げる。

「もちろん。兄として当然のことだろう?」

《兄として》………。
その言葉はフェリシアの心に棘のように刺さってくる。

フェリシアはいったんエドガーから離れると言った。

「でも…いつかは気づいてくださいね、エドガーお兄様。」
ふふっ、とフェリシアはかわいらしい笑みをエドガーに向けた。

「え?何を?」
エドガーは不思議そうな顔をした。

「なんでもないですわ♪」
フェリシアは楽しそうに言った。




















「………………。」
リディアは眉間にシワをよせる。


「リディア…?」
エドガーは心配そうにリディアを覗き込む。


今、エドガーとリディアは恒例のデート中。
といってもリディアは父親に言われてしょうがなく来ただけだが。

「……………なんでも、ない。」
リディアは言う。


しかし、実はお腹がめちゃくちゃ痛い。
月のもののせいだ。

しかし、そんなことを男性であるエドガーに言うのは恥ずかしすぎる。
父親に言うのだって恥ずかしいのだから。

「でも…顔、真っ青だよ?」

「平気なの!!さっさと次の店にいきましょう!」
リディアは強がる。

「…なら、いいけど。」
エドガーはそういうとリディアの手を繋いで歩き出す。





しかし、我慢の限界だったようだ。

「リディア!?」

リディアはいきなり道の真ん中でうずくまってしまった。

「……………っ。」

ただ、どうしたのか聞いてもリディアは頑なに答えようとしない。
病院にいく?と尋ねると激しく首を横にふる。


エドガーは少し困ったが女性との付き合いは数えきれないくらいしてきたので、

「じゃああそこの喫茶店で一休みしよう?」
と言って、リディアを自分に寄り掛からせて店まで連れて行った。




 
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