NOVEL3
□恋愛ゲーム7
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「あっ……これって…。」
リディアは机の写真立てを見つけた。
すごくかわいらしい少女が日だまりの中で笑ってる。
栗色の茶髪が太陽の光で輝いている。
瞳は透き通ったような空の色。
「それはフェリシアだよ。」
後ろから声がしてリディアは驚く。
「!…エドガー…起きたの…。」
「それはこっちのセリフだよ、リディア。気分はどう?」
「…どうって……普通だけど。」
「そっか。昨日はだいぶ酔ってたみたいだけど。…初ワインの感想は?」
「………苦いような渋いような…味だったわ…。」
「……まだリディアには早かったか。」
エドガーの言葉にリディアはむくれる。
………今、完全に子供扱いしたわね?
リディアは思う。
「…フェリシアって、すごい美人なお嬢様よね…。」
リディアが唐突にぽつりと呟いた。
「え?…どうしたんだい?急に。」
「エドガーはさ、フェリシアを一人の女の人として見たことないの?」
「ないよ。ずっと一緒にいすぎて感覚が鈍ってるのかな?…なんか、妹としてしか見れなくて……」
不思議だね、ものすごく美女なんだけどな、とエドガーは言う。
なんか、即答で《ない》とエドガーが断言してくれてホッとした自分がいた。
エドガーにどう思われていてもいいはずなのに…
あたしは一瞬だけ、フェリシアにエドガーをとられたくないと思ってしまった。
これは恋なの?
………もしそうなら、なんでこんな男にハマっちゃったのよ、あたし……。
……そんなわけ……ないけど。