NOVEL3

□恋愛ゲーム7
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「ねえ、リディアは…エドガーお兄様と本気で付き合ってらっしゃるの?」
フェリシアが無邪気な顔で聞いてくる。


なんだかよく知らないけれどフェリシアから《お話しがしたい》という電話があって
今あたしとフェリシアは喫茶店にいたりする。


「………本気…ではないんだけど。」
リディアは答える。

「え!?エドガーお兄様に気に入らないところがあるんですの??」
フェリシアは驚いた声をあげる。

「……だって、エドガーって…女タラシだからちょっと信用ならないような気が…」

「でも、リディアはエドガーお兄様の婚約者でしょう?」

「……この婚約は……父親同士で勝手に決められたもの…なの。」

リディアはそう言うとフェリシアは目を真ん丸にした。

「え…エドガーお兄様のお父様も乗り気なんですの……?」
フェリシアはなぜか困った顔になった。

「……ええ……。」
リディアは首を傾げながら答える。

「そう…なんですの………。」

「フェリシア…?」

フェリシアはそれっきり何も言わなくなってしまった。

側についていたフェリシアの世話係のアルが《お嬢様は具合が悪くなってしまったようです》
と言って結局話はそこまでだったけれど……
エドガーの話ばかりで何のための話し合いなのかわからなかった。





















「フェリシアに会った?」
エドガーはなんで?みたいな顔をする。

「電話があったの、話したいって。」

リディアは今エドガーの部屋にまたまたお邪魔している。


「ふうん?じゃあ友達になったんだ。」
エドガーはホッとため息をついた。

「ねえ………フェリシアはっ…」
リディアが突然切羽詰まった顔をした。

「フェリシアはいい子だろう?………それとも何かあった?」
エドガーは珍しく不安そうな顔をする。

「フェリシアは……エドガーのこと…好きなんじゃないのかな…?」

「は?フェリシアが僕を?」

「だって、フェリシアの口から出る言葉、《エドガーお兄様》ばっかりなんだもの!」

リディアが大きな声を出したからか、エドガーはカチンとその場でしばらく固まった。

「………それは…ないと思うよ。」
エドガーはフイッと後ろをむく。



「それより、リディアはヤキモキを妬いてるの?」
再び振り返ったエドガーは悪戯っ子みたいな顔をしていた。

「ど、どうしてそうなるのよ///」

「リディア、たまには素直になってみたら?」

「……どうせっ」
リディアはエドガーの言葉を聞くと涙目になった。

「え…リディア!?」

「どうせあたしはフェリシアと違って頑固よ!!」
リディアはソファーにあったクッションをエドガーに投げ付けて
エドガーの部屋を勢いよく飛び出して行った。





「…………なんでそこでフェリシアが出てくるんだ?」
エドガーは呆然とした顔でリディアの後ろ姿を見送った。
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