NOVEL3
□恋愛ゲーム8
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「リディア!」
エドガーは慌てて外に飛び出すとリディアを急いで屋敷に入れる。
「何やってるんだ!こんな雨の中で………風邪引くだろ!!」
エドガーは玄関に入ると声を荒げてリディアを叱る。
そんなエドガーをリディアはポカンと間の抜けた顔で見上げる。
「エドガーがそんなふうに怒るとこ、初めて見たわ…。」
「…そりゃ、僕が女性に対して怒るのは稀だからね。」
エドガーはハー…とため息をつく。
「あたしは…エドガーにとって女性じゃないってこと?」
「……どうしてそうなるかなぁ?……キミは僕にとって異性だよ?だけどさっきの行動はあまりにもひど過ぎる。」
「さっきの?」
「雨の中に突っ立ってたことだ。………そんなことくらいリディアだって17にもなればわかるだろ?」
「うん………でも……。どうしてもエドガーに…。」
「?」
「確かめたいことがあったから。」
リディアはきっぱりと言った。
とりあえずエドガーはリディアの着替えを用意させて、自分の部屋に通すとソファーに隣り合って座る。
「で、確かめたいことって何?」
「……………。」
リディアは口を開くのを少々躊躇っている。
「言いにくいこと?」
「……エドガーの想い人って…フェリシアなの?」
「へ…?」
「エドガーはフェリシアが好きなの?」
「そういえば、この前もそんなこと言ってたね。」
エドガーはちょっと気まずそうな顔をする。
「……だって……。」
リディアがちょっと赤くなって恥ずかしそうにしているので
エドガーに悪戯心が沸いてきた。
「なに?そんなに気になる?……もしかしてヤキモチ?」
エドガーはニヤニヤしながら聞く。
「……うん……気になる…ちょっと、だけ。」
「え?」
予想外の答えにエドガーはキョトンとした顔をする。
「好き…だから。」
「はい?」
「あたし、好きなの。」
「……えーと、……人の恋バナが?」
そう言われてリディアはムッとした顔をした。
「え、エドガーが好きなの!!///」
「へー………って…え゙ーー!?リディア、今日は4月1日じゃないよ?」
「エドガー、酷い。……やっぱり婚約者なんて建前だからあたしのことは恋愛対象ですらないんだ……。」
リディアの金緑の瞳がすこし潤む。
「そういうつもりじゃないけど………リディアは僕のこと嫌いだって言ってたし…。」
「嫌いよ。」
「Σ^^;……言ってること、さっきからバラバラなんだけど?」
「でも好き。…………タラシな薄情男は嫌いだけどエドガーが好きなの!……なんでかわかんないけど…。」
「…なんかすごく矛盾してるね。」
エドガーは苦笑する。
「ねえ……エドガー。」
「うん?」
「キス、して?」
リディアの言葉にエドガーは今度こそ目を丸くして本気で驚いた。
………えーと……キスってどれだ?
額とか頬にするやつ?
それとも手にする挨拶?
……まさか口づけってことは…ないよな?
エドガーはまたしても柄になく頭をぐるぐる悩ませる。