NOVEL
□Secret Conversation〜ふたりごと〜
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エドガーがそう言った時、リディアは彼を抱きしめたくなった。
彼は青騎士伯爵としての責任感が強いからこそ自分に妖精を見る能力がないことを"残念だ"と思っているのだ。
「それからやっぱりリディアに似ると可愛くなるだろう?」
「そんなことないわ、あたしはエドガーに似てほしい!!」
「えっ、りりりでぃあ!!?」
エドガーが素っ頓狂な声を上げ、あまりにも彼にそぐわない間抜けな顔をするものだからリディアはついつい笑い出してしまった。
「………そんなに笑わなくてもいいじゃないか。」
エドガーはちょっとだけ恥ずかしそうな顔をしていた。
「だって、たったさっきの貴方の驚いた表情っ……」
リディアはクスクスと笑う。
「そりゃあ驚くよ。僕はリディアが寝ていると思ってたんだから。……その、いつから聞いてたの?」
「ちょっと前からよ。」
「教えてくれればよかったのに…。」
「ふたりごとの邪魔をしたくなかったのよ。」
「……"ふたりごと"?」
「エドガーと赤ちゃんの会話のことよ。」
「普通に"会話"じゃダメなの?」
「だって、エドガー、貴方傍から見ると独り言を言ってるように見えるわよ。」
「…………う、確かに。」
「それからね、エドガーに似た方が良いわよ。」
「どうしてだい?」
「だってその方が要領が良くて美人になるから、社交界をうまく渡り歩いてくれそう。」
「……社交界に出すの?」
「え、出さないの?」
「だって虫が付いたら嫌だし。」
「エドガー、この子が女の子の場合しか想像してないでしょ。」
「そんなことないよ!男の子でもリディアに似てるなら虫は退治するべきだ!」
「その場合の"虫"は社交界のレディたちなの?」
「虫って言ったら男しかありえないだろ、男!!」
「………………。」
↑呆れ顔
「え、そんな顔しないでよ。」
「だって、…………あ( ̄∀ ̄)!じゃあエドガーも虫ね♪男の人だもの。」←ちょっとS要素が…
「ちょっΣ( ̄◇ ̄*)……僕は心からキミを愛してるだけなのに……。」
「その、捨てられた仔犬みたいな顔やめて!」
「リディアがひどいこと言うから…。」