NOVEL3

□恋愛ゲーム9
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と思うと…別にキスくらい…という気になってくる。

「リディアが選ばないなら僕が勝手に決めるけど?」

「ライトな方でお願いします。ええ、喜んで!」
リディアは急いで即答した。

「なんだ、残念。僕は恋人のキスがよかったのに。」

「エドガー。」
リディアが、睨むと彼ははいはいわかりました、と彼女の顎に手をかける。

「リディア、目を閉じて。」
彼にそう言われてリディアは素直に目を閉じた。

そして次の瞬間唇に、添えられた手と同じ体温が重なる。

「ん……。」
たしかに、昨日のように舌を絡めるような苦しいキスではなかったが、
リディアはエドガーに下唇を啄まれて、肩をびくっと震わせた。
最後にちゅっ、と恥ずかしくなるような水音を立てて体温は離れていった。

「え…どがー……。」

「そんなに可愛い顔されるとまたしたくなるんだけど?」

「!?」
…この男はどうしてこうなんだろう。
キスの後なのに涼しそうな顔をしている。
この人、動揺したりすることがあるのかしら?
リディアはこころから疑問に思う。

でもよく考えてみれば、キスくらいでエドガーが恥じらうはずがない。
なぜなら、女タラシで20股男(今は浮気していません)にとって、
キスなんて…いや、それ以上のことも日常茶飯事なのだ。

「なるほど…経験の差ね。」

「リディア…?」
エドガーは首を傾げる。

ええ、突然そんなこと言われても意味がわからないでしょうね。
いいわよ、わからなくて!
あたしはどうせ、男の人との経験なんて一切なかったわよ!

と、リディアは少し拗ねてみる。
そうじゃないと、あまりにも気恥ずかしすぎたのだ。

「リディア、なに百面相しているんだい?」

「別に。」

「僕、キスして不機嫌になる女の子なんて初めて見たんだけど。」

「どうせあたしは意地っ張りです。」

「は!?」

…単なる八つ当たりです、はい。
……それはあたしにもわかっているのよ。
ただ、少しだけ独占欲が出てきたというか…
エドガーが他の女性と恋愛してるところを想像したらなんだか腹立たしくなってきたの。

…なんでここまでエドガーを好きになっちゃったのかしら?
あたしって、男趣味悪いのね。

…リディアは心の中でそっと苦笑した。


 
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