NOVEL3

□恋愛ゲーム9
3ページ/8ページ




結局、不機嫌になったリディアを家まで送って再び自室に戻ってくると、時計は10時すぎを差していた。


「あれ?不在着信がある?」
そこで初めて自分の携帯に不在着信があるのに彼は気づいた。

『F・R』
フェリシアだ。

もしかしたら何かあったのだろうか?
エドガーは少し不安になりながら彼女に電話する。



『…もしもし?』
彼女はコールの3回目で電話に出た。

「おはようフェリシア。僕だよ。」

『まあ、エドガーお兄様!』

「昨日、僕に電話したみたいだけど、何かあったの?」

『…昨晩は少し具合が悪くなってしまって。そうしたら心細くなってお兄様の声を聞きたくなったの。』

「それは…ごめん。」

『エドガーお兄様のことだもの。どうせ夜遊びしていたんでしょう?』
拗ねたようなフェリシアの声が聞こえてくる。

「あのね、フェリシア。僕は夜遊びをやめたんだ。」

『…え…?……どうして改心なさったの?』

「僕には婚約者がいる。」

『…リディアね。』

「うん。彼女に振り向いてもらうためには夜遊びなんてしちゃいけないと今更気づいた。」

『…それは…お兄様がリディアを好きだってこと?』

「…そうだね。自分の気持ちに気付いたのは昨日なんだけどさ。」

『そう。……どうしても私じゃダメなのね?』

「フェリシア?」

『そろそろ気付いてくださらない?』

「……………。」

『私はエドガーお兄様が好き。』

「…僕もキミが好きだよ、フェリシア。」

『…男の人として好きなの。お兄様の好きとは違う。』
…正直、自分の"妹"として可愛がってきた彼女の口からそんなことは聞きたくなかった。
けれど、最近、なんとなくはわかっていたんだ。
ただ、僕が気づかないふりをしていただけ。

血の繋がりはなくても"兄妹"としての関係を壊したくはなかったからね。


「僕は"妹"以上にキミを好きにはなれない。」
残酷な言葉かもしれなかった。
けれど、心の底から彼女に諦めてほしいと思った。
なぜなら…僕にはすでに好きな女の子が別にいたのだから。


 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ