NOVEL3
□恋愛ゲーム11
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「ただ、あの時はそうでも今は違うの」
「はい?」
話の流れがよくわからなかったリディアは首を傾げた。
「あのね、私、婚約したのよ。それであともうちょっとで結婚するのよ」
「…それは、おめでとうございます」
「政略結婚なんだけど…私、彼が好きだわ」
「良いことだと思います」
「つまり、今はアシェンバートの御曹司に対して気持ちがないのよ。だから貴女のことも腹が立たないし……あの時は大人げなかったとも思ってる」
「そのことは、もういいんです!」
リディアは心からそう思う。
しかも、彼女の皮肉はかなり当たっていて落ち込みはした。
けれど、自分の欠点を再認識させてくれたチャンスでもあった。
だから、もういい。
「それでね?恥ずかしい話なんだけれど私って同性に友達がいないの」
「えぇ!?何でですか?いっぱいいそうなのに…」
「…私が男と絡んでばかりいたからよ。まあ今は本当の恋(?)を知れたからもうそんなことする気ないけど」
「………………」
つまり、ロザリーは結構奔放なお嬢様なわけで…?
まあ、あのエドガーと付き合ってたくらいだからそうなのかもしれないけれど。
「それで、急に同性の友達が欲しくなったのよ」
「それが…なぜあたしなんですか?」
「だって純粋で無垢な感じが私とは正反対で、…つまり無い物ねだりかしら?自分にはない魅力がありそうだったからリディアと友達になりたいと思ったの」
「はあ……」
…信じてもいいのかしら?
それとも、これは何かの罠だったりする?
「そんな顔しないで。私って結構バカだからリディアが思ってるほど腹黒くもないし、何もたくらんでないわよ」
「えーと、じゃあこちらこそよろしくお願いします」
「あ、待って。敬語はダメよ」
「でも、ロザリーさんの方が年上…」
「"ロザリーさん"もダメ。ロザリーって呼びなさい。それに友達同士なのに敬語って変でしょう?」
「じゃあ、よろしく、ロザリー」
「それでよし」
彼女はにっこりと笑った。
そしてリディアは彼女の携帯番号とアドレスを交換した。
その後彼女は"恋人同士のことで困ったことがあったらおねえさんに相談しなさいよー"と手をふりながらいなくなった。
「よくわからないけれど、友達ができるって嬉しいわね」
リディアも微かに微笑んだ。