NOVEL3

□恋愛ゲーム12
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誰か、このレディの言葉を通訳してクレマセンカ…?


パーンッという乾いた音が響いたその部屋でエドガーは元恋人であるロザリーに睨まれている。


「貴方が悪いのよ!浮気なんてするから!!」
と、身に覚えのないことを怒鳴られ、平手打ちを喰らったエドガーは首を傾げた。

「ロザリー、頭、大丈夫?」
その言葉にさらに彼女の眦が上がる。

「そうやって言い逃れするつもり!?」

「…じゃあ聞くけど、僕が誰と浮気したと言うんだ?何より、恋人でもないきみになぜそれを咎められなくちゃいけない?」

「…〜〜っ、リディアを泣かせるからでしょ!」

「…は…?」
いや、たしかにいつかは鳴かせたい(←漢字間違い)と思ってましたけど、
ロザリーにまで僕の色ボケ思考がばれてました?


「写真が届いたのよ!浮気の証拠じゃないの!」

「写真?何の?」
彼女が差し出したのは……


紛れもなく僕ですね…。
うん、でも違うんだよ。浮気じゃない。
だって隣に後ろ姿だけ写ってる人って、ロタだし。
ロタと間違いとか起こる可能性ゼロだし?

「どうよ」
ロザリーが勝ち誇った表情で言う。

「違う」

「まさかそれが貴方じゃないとか言うわけ?どう見てもエドガーじゃない」

「いや、写真に写ってるのは僕だけど、浮気なんてしてない」
僕のその言葉にロザリーはあんぐりと口を開けた。
"呆れを通り越した"と言わんばかりのその表情で僕を見るのはやめてくれ!

「隣にいるのはロタ。まあ幼なじみ……いや、腐れ縁?」

「…誰だかわかんないけど、こんな場所に入って何も起こらないわけないわ!」
…それが、何も起こらなかったんだよ。
僕だってホテルに行って何も起こらなかった夜はその日が人生初だよ。
…何と言うか、同性…つまりは男友達と寝泊まりするのってこういう気分なのかなって考えながら眠りについた。

「まあアレは外見がかろうじて女に見えるけど中身は男だからね」←
僕ははっきりと失礼窮まりないことを言ってみる。

「…じゃあ何の用で会ったんです?」

「仕事関係かな。これ以上は言えないね。きみも関係が全くないとは言いきれないし」
ロザリーだってウォルポールの令嬢だ。
関係があると言えばある。
だから、下手なことは言えない。

なぜロザリーがここまで怒っているかよくわからないけれど、これ以上は口を割らないエドガーだった。


 
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