NOVEL3
□恋愛ゲーム13
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「でね、あの人ってばドタキャンしたのよ!!」
「……………」
「ちょっと、リディア、聞いてる??」
先程から、あたしの家に居座ったロザリーは婚約者の愚痴をぶちまけていた。
「聞いてるわ」
「それも三回目!もー頭にきちゃう!」
「でも、その彼って忙しい人なんでしょ?」
「…それは……そうだけど……」
「さらに、ロザリーはそんな彼でも好きなんでしょう?」
「……………ぅん」
ロザリーが俯いて大人しくなった。
「なら悪口ばっかり言っちゃだめよ」
「……リディアって私より年下だけど、私よりしっかりしてる気がするわ」
「えっ!?」
ロザリーに穴が空くほどまじまじと見つめられてリディアはたじろぐ。
と、その時。
ピンポーン♪
と、玄関でチャイムがなる。
「…誰?まさかあのラモット嬢?」
ロザリーはあからさまに嫌な顔をする。
「違うと思うわ。今日は何の約束もしてないもの」
「じゃあ、誰??」
リディアが玄関へ歩いていくと、ロザリーも恐る恐る背後についてくる。
玄関の扉を開けるとそこには…
「……どうも」
「ダネル!」
「…誰?」
と、ロザリー。
「えーとね、あたしの幼なじみ」
「へー!」
ロザリーはまたしても上から下まで穴が空きそうなほど、今度はダネルを見つめた。
「…リディアの友達?」
彼のほうも怪訝そうにロザリーを眺める。
「ええ、そうですわ。それにしても…リディアって大人しそうに見えて案外大胆?」
「え、ええ?なぜΣ( ̄◇ ̄*)!?」
「だって婚約者がいながらほかの男性と約束なんて…」
「別に約束してたわけじゃないわよ」
「……もしかして二人の邪魔をしちゃった?」
気まずそうにダネルが口を開く。
「そんなことはないけどー、リディアに何の用ですの?」
って、なんでロザリーが聞いてるのよ!
「あー、リディアが欲しがってた新種のサンダーソニアが手に入ったから持ってきたんだけど」
「本当!!?」
その途端あたしは目を輝かせる。
これを現金な態度というのかもしれない。
本当にリディアってば植物が大好きなんだから…、と後ろでロザリーが笑っていた。