NOVEL3

□恋愛ゲーム13
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…ロザリー・ウォルポール…彼女は何処かの企業だか財閥の令嬢らしい。
そしてリディアの友達でもあるらしい。

「なんか、珍しいな」
考えていたことがつい僕の口から漏れてしまった。

「ダネル、珍しいって何のこと?」
リディアがキョトンという顔で聞いてくる。

「令嬢と友達になるだなんて珍しいなーって思って」

「あら、家柄で友達を決めるなんてよくありませんもの。べつに私が令嬢でなくたってリディアは友達になってくれましたわ」
と、ロザリーが言う。

「そうじゃなくて、リディアって社交的なパーティーとか苦手だからそういう場所に関連する友人をつくるのが意外だったって話しだよ」

「え、…エドガーを婚約者にしておきながらそれはないでしょう、リディアー」

「…だって、賑やかなのもきらびやかなのもあたしにはあまり合わないし…」
リディアがまた自分を卑下し始める。
それは幼い頃からの彼女のくせであった。
そして、今でもなお、自分の魅力に気づかないちょっと天然な女の子なのだ。

「僕はリディアのこと、普通に可愛いと思うけどな」

「そうよ、私も……って、ちょっとダネル、まさかリディアに横恋慕してるんじゃないでしょうね!!」
ロザリーは結構オープンな性格らしくすぐさま会話が弾んだし、
たったさっき会ったばかりなのに名前は呼び捨てだ。

「いや、一般論だって。ロザリーだってそう思うんだろう?」

「リディアは純粋で無垢なところがいいのよ。汚れてない感じっていうか?………それなのに婚約者がアレだなんて…残念だわ」
…アレってエドガー・アシェンバートのことだろうか?
あの御曹司をアレ扱いとはロザリーはやはりぶっ飛んだお嬢様のようだ。
まあ、お高くとまってるお嬢様より親しみやすくてずっといい。

「彼って女性関係がだらしないって噂があったから僕としても幼なじみとしてちょっと不安なんだけどな?」
嘘だよ。あんなやつにリディアを穢されたくないって本当は思ってるさ。
でもリディアはあいつが好きみたいだから悪口を言うわけにもいかない。

「エドガーって、第一印象で思ったよりも悪い人じゃなかったわ」

「だけど、浮気率は高いわよ?」
と言ったロザリー嬢に僕は心の中で猛烈に同意した。

 
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