NOVEL
□愛してると言って
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ここはエドガーとリディアの寝室だ。
そろそろ夜も更けてきたので、二人ともベッドに潜り込む。
そして、眠ろうとした時…
「リディア、愛してる。」
エドガーがいきなり言う。
「な、何よ突然…//」
「愛してるんだ。」
「知っ……てるわ。」
「リディアは?僕のこと、愛してる?」
「え、えぇ。」
リディアは恥ずかしくて、つい消え入りそうなほど小さな声で言う。
「ちゃんと言葉で言って。」
「え、と、………。」
リディアは言ったつもりだ。
でも実際には全然声になっていない。
「聞こえないよ。……それとも、言えないの?」
「どうしてそうなるのよ。…大体、言葉じゃなくてもわかるでしょ。」
「言葉で聞きたい。」
今日のエドガーは、やけにあきらめずに聞いてくる。
「あたしは……エドガーとは違うの。」
「違う?何が。」
「《愛してる》って、あたしにとっては重い言葉だもの。」
「………それは、僕の愛が軽いって言いたいわけ?」
「そうじゃないけど……貴方みたく簡単に言えない。」
「ふーん。僕がてきとうに言ってるとでも思ってるわけだ。」
「……今日のエドガー、しつこいわ!!」
「しつこい?……リディアこそ、僕のこと、愛してるないから言えないんだ!!」
エドガーは苛立って言った。
「エドガーなんてもう知らない!!先に寝るから。」
リディアもすっかり喧嘩モードだ。
「いつも先に寝ちゃうじゃないか。」
エドガーは嫌みを言う。
「…………。」
リディアはそれを無視して、寝たふりをした。
本当はエドガーと喧嘩なんかしたくないのに。
エドガーの言う通り、素直に《愛してる》って言ってあげたいのに、
どうしてこうなっちゃうんだろう……。
エドガー、ごめんなさい。
素直なあたしじゃなくて、ごめんなさい…。
リディアは心の中でエドガーに謝りながら、
そして、自分の態度を反省しながら眠りに落ちていった。
一方エドガーは、リディアとの喧嘩は不快なはずなのに、くすっと笑っていた。