NOVEL

□凩の夜
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凩の夜


「寒い……。」
リディアは身震いする。

秋が深まったこの季節。
夜の凩は身に染みる。

「寒いならここにおいでよリディア。」
エドガーがベッドの毛布を持ち上げて自分の隣の場所をぽんぽんと叩く。

「あ、うん。」
リディアは嬉しそうに頷いたが……

「あったまるようなことしようか?」
と、その後にエドガーがふざけて言ったので、
ぷるぷるとかわいらしく首を横に振る。

その姿が逆にエドガーの欲を刺激するのだが。

エドガーはなかなかリディアが自分のところに来ないので
ベッドから抜け出して自らリディアを迎えに行く。

「全くキミは困ったコだ。」
言いながらエドガーはリディアを横抱きにした。

「やっ…、エドガー、降ろして///」
リディアは予想通り腕の中でもがく。
全く、僕の姫は恥ずかしがり屋だなぁ、とエドガーはリディアの様子を観察する。
そしてベッドの上にリディアを降ろしてやった。

「あの…エドガー…。」

「うん?」

「今日は…その…し……なぃで欲しいんだけど///」
リディアはもごもごと真っ赤になりながら言う。

「別に良いけど、何もしないっていうのはムリだよ?」

「えっ…。」
リディアは後ろに後ずさる。
そして………

「キャーっっっ!?」
後ずさりすぎてベッドの反対側から落ちた。

「えー??リディア?」
エドガーは目を真ん丸にする。
それからクスクスと笑い出す。



そういえば…、とリディアは思う。
エドガーの前で、過去にもベッドから落ちたことがある気がする。
そう。
あのエドガーがリディアの傷口に入ったブラッドストーンを取り出し後のこと。

「もう、笑わないでよ…。」
リディアはもそもそと再びベッドにのぼる。
それから沈んだ顔になった。

「ごめんごめん。そんなに落ち込まないで。リディアの可愛い顔が台なしだ。」
そう言ったエドガーはリディアの隣の毛布の中に潜り込む。

「エドガーは覚えてる?あの時のこと。」

「あの時?いつのこと?」

「貴方があたしの傷口のブラッドストーンを取り除いた時。」

「ああ、あの時のキミの白い肌はなまめかしかったよね♪」

「違うでしょ!!」
リディアは憤慨する。


 
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