NOVEL
□凩の夜
1ページ/5ページ
凩の夜
「寒い……。」
リディアは身震いする。
秋が深まったこの季節。
夜の凩は身に染みる。
「寒いならここにおいでよリディア。」
エドガーがベッドの毛布を持ち上げて自分の隣の場所をぽんぽんと叩く。
「あ、うん。」
リディアは嬉しそうに頷いたが……
「あったまるようなことしようか?」
と、その後にエドガーがふざけて言ったので、
ぷるぷるとかわいらしく首を横に振る。
その姿が逆にエドガーの欲を刺激するのだが。
エドガーはなかなかリディアが自分のところに来ないので
ベッドから抜け出して自らリディアを迎えに行く。
「全くキミは困ったコだ。」
言いながらエドガーはリディアを横抱きにした。
「やっ…、エドガー、降ろして///」
リディアは予想通り腕の中でもがく。
全く、僕の姫は恥ずかしがり屋だなぁ、とエドガーはリディアの様子を観察する。
そしてベッドの上にリディアを降ろしてやった。
「あの…エドガー…。」
「うん?」
「今日は…その…し……なぃで欲しいんだけど///」
リディアはもごもごと真っ赤になりながら言う。
「別に良いけど、何もしないっていうのはムリだよ?」
「えっ…。」
リディアは後ろに後ずさる。
そして………
「キャーっっっ!?」
後ずさりすぎてベッドの反対側から落ちた。
「えー??リディア?」
エドガーは目を真ん丸にする。
それからクスクスと笑い出す。
そういえば…、とリディアは思う。
エドガーの前で、過去にもベッドから落ちたことがある気がする。
そう。
あのエドガーがリディアの傷口に入ったブラッドストーンを取り出し後のこと。
「もう、笑わないでよ…。」
リディアはもそもそと再びベッドにのぼる。
それから沈んだ顔になった。
「ごめんごめん。そんなに落ち込まないで。リディアの可愛い顔が台なしだ。」
そう言ったエドガーはリディアの隣の毛布の中に潜り込む。
「エドガーは覚えてる?あの時のこと。」
「あの時?いつのこと?」
「貴方があたしの傷口のブラッドストーンを取り除いた時。」
「ああ、あの時のキミの白い肌はなまめかしかったよね♪」
「違うでしょ!!」
リディアは憤慨する。