NOVEL

□Eternal 〜永遠という奇跡を信じて〜
1ページ/7ページ

Eternal 〜永遠という奇跡を信じて〜




夜会。
それは貴族たちの華やかな時間……





『あの男、ムカつく。』

エドガーはバルコニーでリディアに親しげに話し掛けている男を不満げに見遣った。

……多分、今日リディアに少しばかり露出度の高いドレスを着せたのが失敗だったのだろう。
あの男の視線はさりげなくリディアの胸元を行き来する。

……しかも……


リディア、そんな可愛い笑顔見せないでく……。




そこまで心で呟いてエドガーは一気に自信をなくした。

リディアは僕を好きなはず。
うん、彼女は嘘をつけない人だから僕への言葉に嘘はないだろう。

でも、"1番"好きなのだろうか?


もしかしたら僕以上に好きな男がいるのかも。


だって……リディアのあんな可愛い笑顔、僕は見たことない。
リディアは僕にそんな笑顔向けてくれないんだ…。





いつもの他の男に対する独占欲はどこへ行ったのやら。

エドガーはしょんぼりして男ばかりが集う会話の輪の中に入って行った。













夜会で知り合った青年と世間話を終えたリディアは
自分の夫を捜すため、キョロキョロとバルコニーから辺りを見下ろした。



……どうやら誰かと踊っているわけではないようだ。
いつもなら婦人が後ろで順番待ちしている目の前で美しくエスコートしているのに。


リディアは首をかしげる。


もしかしたら談笑のサロンかもしれない。
リディアはそう思いバルコニーから下の階へと向かった。
















「おい、エドガー。」
モーリスが言う。

「…なんだぃ?」
エドガーは大量にシャンパンを飲んで酔っ払いと化していた。

「あれ、君の奥さんじゃない?」
モーリスはサロンの入り口から顔を覗かせているリディアを指した。

「奥…さん…?」
エドガーの思考回路はとっくに機能しなくなっている。

「呼んでるぞ?行かなくていいのか?」

「僕に奥さんなんかいないよ?」


目の前の酔っ払い伯爵の言葉にまわりの皆は唖然とした顔をする。

リディアにも聞こえていて目を見開いている。


「…リディアさんだよ?エドガー、悪酔いもたいがいにしろよ!」
スティーブンも言い出す。



 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ