記念部屋

□10万HIT記念
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ギュッ


こうして手を繋ぐようになったのは何時からだろう


最初は緊張しちゃってさ

何度も試みようとするのに

握れなくて

俺の手は宙を彷徨ったんだよな〜


結局、自然に手を繋ぐ事が出来なくて

ちょっと、拒否されたら?と思うと怖いのもあって

“手、繋いで良い?”って聞いたんだよな〜

今、考えたらあり得ないけど

あの時の自分は必死だったな


「ふっ、」

「どうしたの?」


思わず漏れた笑みに、隣の彼女も

笑みを見せながら尋ねてくる


あー変わらないな


あの日から変わらず、俺の隣にいてくれる彼女


「風早くん、幸せそう」


うん、幸せだよ

黒沼の事を想うと幸せで仕方ないんだ


ギュッ


繋いだ手に、もう一度力を籠めると

少し頬を染める黒沼

そっと、繋ぐだけだった手は

今では離さないよと言わんばかりに

指をがっしりと絡ませている



初めて黒沼の手に触れたのは何時だったかな?

繋ぐ・・・のではなくて

触れたのは・・・

きっと、まだ片思いの時だよな?


高一の時、黒沼が自分といると株が下がる・・・だったかな?

そんな噂から俺や矢野や吉田から離れようとした時

問い詰めて、泣く彼女の手を咄嗟に掴んだかも

あれは無意識だったよな〜


大晦日の日にそっと触れた手

黒沼の細い指が俺に触れた瞬間、電流が走った


女の子なんだなって思った

柔らかな手

小さな手

俺とは違う



今、俺の手の中にある黒沼の手


守りたい


ずっと、隣で共に歩き、守りたいと願う


「ふふっ、なんか嬉しい事あった?」

「黒沼が傍にいてくれてるからだよ」

「!!!!!!////////」


大きな瞳を更に見開いて見る見るうちに真っ赤になっていく


可愛いなあ――っっ


「黒沼がいてくれたら俺はずっと笑ってられるよ」

「////////私だって・・・」


うわっ!

やばっ!


上目遣いの黒沼はいつも以上に

殺傷レベルはアップする

俺だけに有効なら良いんだけど・・・

そうではないみたいだから困る

それに気付いたのは大学に入った時だったよな?


「その顔!絶対!絶対!俺以外にしないでよ?」

「え?」

「だから!可愛過ぎるから!他のヤツに見せないでよ?」


あまりに解っていない彼女に多少苛つきながら

言葉を投げ付けてしまう


「可愛っ///////ありえないよぉぉ〜!!!!!」


高校時代は俺たちが付き合ってるのは知れ渡っていたから

あまり、周りが見えてなかったのかも知れない


大学に入って、新しい人間関係の中で

黒沼の魅力に気付いたのは一人や二人ではなかった



隣で、照れて俯いている顔は横からでも耳まで真っ赤

こうやって、真っ赤にさせるのは俺だけかな?


パクッ


「ひゃっ!」


耳をパクッと唇で挟むと

もう、これ以上無い程、真っ赤になって

耳を押さえながら涙目で少し睨んでくる


そんな顔で睨まれても怖くない

寧ろ、可愛いからっ!


「仕返しだよ!」

「仕返しって〜わ・私なにか?///」


また、俺を虜にしたからね!

でも、言わないよ!

きっと黒沼は俺が嬉しい言葉を言ってくれるだろうけど

余裕無くなっちゃうし

たまには、余裕でいたいじゃん?


熱を感じる手が汗ばんできた

こうやって、俺の余裕なんて無くなるんだよな


「あ、」


ちょっとを離してみました。

離れた黒沼の手が俺を求めるように追い掛けてくる


うわっ・・・


黒沼は繋いでいた手をもう片方で包み

少し涙目でこちらを向いてくる

黒沼も俺と離れたくないって思ってるのかな?

離れて淋しいって思ってる?

これっ、ヤバイ!


なんか・・・くせになりそう・・・


追い掛けてるのは俺だけじゃない?

もっと、俺を求めて欲しいな









記念SS第二段
ちょっとこじつけ?
あーなんか、まとまらなかったのぉ
結局は爽子には適わないって感じ?(笑)
でも、ちょっと好きな感じのお話には仕上がりました
楽しんで頂けましたか
お付き合いありがとうございます



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