記念部屋

□10万HIT記念
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「爽子、笑って」


大好きな彼が優しい笑顔でそう言うから・・・

なんだか・・・泣きそうになった


力を入れていないと涙が零れてしまいそうで

キュッと唇を噛み締めた


「さ〜わ〜こっ!ほらっ!笑って!!」




高校時代の片思いの時の事が脳裏に蘇ってきた

まだ、翔太くんへの想いも自覚していなくて

大好きな人たちとの距離が少しづつ縮んで行ってる時だったかな?



「貞子〜笑って〜」


私の周りが何だか騒がしくて

よく声を掛けられていた


福がくる!なんて言われて

無理やり笑おうとした事があったなあ


「ふふふふふ・・・・・・」


余計に強張らせてしまったんだっけ?

笑おうとすると何故だか不自然で

笑わせるどころか恐がらせてしまう




ふふっ

思い出して少し笑みが零れる


「あっ、笑った?」

「あ///」


目の前では眩しい程の笑みを向けてくれる彼

いつからか、共に過ごす時間が増えて


想いを自覚した


ずっと憧れていた

恋愛対象と言うよりは、もう崇拝と言うか


だけど、独り占めしたくて

隣にいたくなって

どんどん欲張りになっていった

私だけに見せて欲しい


彼の初めても

彼の笑った顔も

彼の怒った顔も


全部見たいと思った



「ダメ!ちゃんと俺の方、向いて」


恥ずかしくて俯いていた顔を両手で挟まれて

クイッと目を合わされてしまう


ドクンドクン


煩いくらいの心臓の音


「〜〜〜〜〜〜は・恥ずかしいよぉ〜〜///」

「―――――っっ///もうっ!」


急に怒った様な声に恥ずかしさで閉じていた瞳を開けると

真っ赤に染まった彼の顔


ち・近い///


「そ・そんな顔してもダメだよ///
爽子の笑った顔見せて///」

「そんなぁ〜〜無理だよぉ///」


大好きな彼に恐がられたくない

彼はそんな風に思わないかもしれないけれど

“笑え”と言われて笑えないよぉ!!


だけど、今日の彼は一歩も退いてくれそうに無い


「しょ、翔太くん・・・急にどうして?」

「えっ・・・あ、いや・・・」


まだ私の顔を両手でしっかり挟みながら

狼狽え始めた翔太くん


どうしたのかな?


「笑わない?」

「え?わ・笑わないよ?」

「呆れない?」

「呆れる?無いよぉ〜」

「き・嫌いにならない?」

「嫌っ?ありえないよ!」


嫌いになんてなれるはず無い!

こんなにも好きなのに

好きはどんどん溢れているのに!


「さっき、声かけられてたでしょ?」

「え?」

「ほらっ、待ち合わせの時!!///」

「あ、」


道を聞かれた時の事かな?

翔太くんと待ち合わせの場所で

早くに来過ぎちゃって待ってたら

男の人に駅までの道を聞かれたんだよね?


「それが何か?」

「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!わ・笑ってた!」

「???」


頭の中はクエスチョンマークで埋め尽くされている

翔太くんはやっと片手を私の顔から離すと

自分の口を覆った


翔太くんの照れ隠し


私の大好きな翔太くんの一つ


「爽子、そいつに笑ってたでしょ?」

「笑っ・・・てたかな?」

「うん!笑ってた!(可愛くね!)」


翔太くんはまた、手を頬に添えて真っ直ぐな見つめてきた

真っ直ぐな瞳に吸い込まれてしまいそうになる


「爽子の笑顔独り占めしたいんだ
誰にも見せたくない・・・」


一緒だ


「だから、俺にも見せて・・・」


どうしたら良いのかな?

笑いたい

翔太くんに向かって笑いたいよ


どうしたら・・・


あ・・・


私はもう一度目を瞑った

頬に優しく触れる大きな手の温もり

私の全てを包み込んでくれる


大好き

大好き


「翔太くん・・・大好き」

笑えないけど無理に笑ってみました。


“大好き”の言葉と一緒に・・・







記念SS第三段です
今回は爽子視点で書いてみました
可愛過ぎるぜ爽たん
あまりの可愛さに途中で風早が憎くなり止めようかと(笑)
でも、散々苛めてるからたまには仕方ないか?
きっと風早はこのままお持ち帰り・・・・・(怒)
第三段!どうでしたか
ってか、楽しんで頂けてますでしょうか
少しでも女神様が楽しんで頂けたら
翠は幸せです
ありがとうございました



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