記念部屋

□20万HIT記念
10ページ/12ページ



「黒沼!ごめん!遅れた!」

「ううん!いつも待たせてるのは私だから!」



きっと私の姿が見えたからかな?
走って来てくれた様子の風早くんの額からは薄ら汗が滲んでいた


私は慌ててハンカチを取り出すと額へと当てた



「なっ・・・////」

「あ!ご・ごめんなさい!汗が・・・」



無意識に顔を近づけてしまっていて
目の前には少し頬を赤らめている風早くん


かっこいいな・・・


見た目とかじゃない


明るくて優しくて太陽みたいな人

誰もが憧れる

そんな素敵な人が本当に私の・・・


風早くんと私は大学は別々のところに行ってて
今までとは違って毎日会えるわけじゃなかった


学校に行けば・・・会える

そんな日常では無くなって

時間を作ってこうやって約束をする

そして、会うたびに大人になっていく風早くんに
ほんのちょっとだけ嫉妬して
不安になってしまう



「く、黒沼?///(見すぎーー!///)」

「あ・・・」



思わず考え込んでしまって

突然、黙った私を心配そうに覗きこんできた


キラキラした瞳には私が映っている


綺麗すぎて・・・何だか、眩しい



「///い、行こうか?」



はいっと目の前に差し出された手は私よりも遥かに大きくて
そのたびに、男の人なんだなと感じる


そっと手を添えると心拍数が一気に上がる
キュッと胸が締め付けられちゃう


触れた場所から私の鼓動は伝わってしまいそう


どうしよう・・・私・・・


風早くんといたら心臓が!!



「おおっ!風早じゃーん!」



突然、声を掛けられて思わず二人で振り返った


わ、私は関係ないのに!!


自分の行動が恥ずかしい///



「よっ!おっ!もしかして彼女?」

「あーー、うん・・・」



ツキン


心臓が痛む


風早くんの困った様な顔


大学のお友達かな?

初めて会う人


私は風早くんとは全然、釣り合えてない

彼女だと紹介してもらえるような
そんな自信は何処にも無いの


きっと、風早くんも私なんかじゃ・・・恥ずかしいよね


自分の思考にだんだん悲しくなってくる



「へぇ、」



まじまじと私を見てくる彼に少し戸惑いながらも
やっぱり挨拶はしなきゃ!



「く、黒沼爽子と言います!よろしくお願いします!」



勢い良く頭を下げる

風早くんのかぶを下げたくない
風早くんの彼女として恥ずかしくない行いを!



「あーー、こりゃ心配だな!風早!ツボにきた!」

「なっ!くるな!」

「ツボ?」

「いいの!黒沼は気にしないで!もう良いだろ?じゃあな!」



風早くんは私の手をグイグイと引っ張って歩き始めた


え?

え?

良いのかな?



「ははっ!またねー!爽子ちゃん!」

「はいっ!さよなら!」



いい人!!


“またね”があれば良いなぁ


だんだんと遠くなる風早くんのお友達に手を振りながら
そんな事を思ってしまった



「わっ!」



急に立ち止まった風早くんに
私は反応できなくてぶつかってしまう


じっと俯いたまま何も言わない風早くん


怒らせてしまった?
私が勝手に挨拶なんてしちゃったから・・・


目頭が熱くなってきて
視界に膜がはる



「ごめんな「あー!ダメだ!」」

「え?」



謝ろうとしたら風早くんが髪の毛を掻き毟りながら遮る

やっぱり・・・怒ってる?



「ごめんな!我慢出来なくて!」

「が、我慢?」

「く、黒沼があいつに笑ったり、挨拶したり・・・許せないんだ
 全然余裕ないんだ!しかもアイツ!名前で呼ぶし!」

「余裕・・・ない?」

「うん、全然ないよ・・・黒沼が好き過ぎて・・・
 そんなんじゃダメだよな!ちゃんと大人にならないとな!」

「な、ならないで・・・」

「え?」

「置いていかないで・・・お願い・・・もうちょっとだけこのままでいて・・・」



「く、黒沼?」

「これ以上、離れないで・・・
 好き過ぎて・・・心臓が可笑しくなっちゃうの・・・」

「〜〜〜っっ///反則っ!離れない!離してって言われても離れないから!」



ギュッと抱き寄せられて
風早くんに包まれた



もうちょっとこのままで









20万HITお礼SS甘い言葉は爽たんから
ヤバッ爽たん視点に一人悶えてました(笑)
甘く仕上がった様に思いますがどうでしょうか?
20万HITお礼SSもあと少し
もう暫くお付き合い頂けたら嬉しいです
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ