記念部屋

□20万HIT記念
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「風早の彼女って美人?」

「可愛い系?」



そう聞かれる事は珍しくなかった

大学に入ったばかりで彼氏や彼女がいるのか
その彼女がどんな人なのかが気になるのは当然で
暫くはこういう風に聞かれるんだろうなと思う



ただ・・・俺は・・・・・


もしかして異常なのかな?と最近思う


好き過ぎて正直どうすれば良いか解らない時がある



今もそうなんだ俺にとって黒沼は
美人だし可愛くて仕方ない


高校の時から周りには俺の黒沼への想いはダダ漏れだったし
俺も隠すつもりもなかったけど・・・


“彼女いててもみんな適当にうまくやってるよ”



大学に入ればコンパに誘われる事も少なくない
その度に断る俺にみんなが言う台詞だった


だけど俺にはうまくも適当にもできない


大学に入って色んな奴と話す中で俺のこの想いは
他の奴ら比べると重すぎる事に気付いたんだ



「風早ならよりどりみどりだろ?」

「そりゃレベルも高いだろーな」

「良いよなーー!!」



レベルが高いとか
可愛いとか綺麗とか関係ない


寧ろ、言いたくもない


俺には黒沼だけ



「今度会わせてよ」

「無理」

「速答かよ!」



当たり前だっての

誰が好き好んで愛しい彼女を
飢えた雄の中に放り込むかっての!



「あれ?もしかして」

「風早が彼女にベタ惚れ?」

「わ、悪いかよ///」

「わー、顔真っ赤!」

「風早にここまで惚れられる彼女って見てみたいよな〜」

「絶対見せない!///」

「じゃあさ、彼女の髪色は?」

「髪?なんでそんな・・・」

「いいじゃん!何色?茶髪?」

「黒」



そう、俺が大好きな黒沼の髪

真っ黒で艶があって凄く綺麗なんだ



「へぇ?パーマとかは?」

「してない」

「今どきな感じじゃないな」

「黒のストレートだろ?」

「あぁ、まぁ・・・もう良いだろ!」

「いや、会わせてくれないんだったら想像させてくれ!」

「す、するな!///」

「想像もダメなのかよ〜!」

「じゃあさ!じゃあさ!」



しつこく食い付いてくるのが鬱陶しい!

あまりに真剣で飢えすぎだろ!

想像どころか会わすのなんて絶対無理だな



「じゃあさ!どこが好き?」

「は?」



好き・・・って・・・


綺麗な真っ直ぐな黒髪
指を通せばサラリと抜けていく

抱き寄せて口付ければ甘い香りが漂う


真っ白な頬が赤く染まって
恥ずかしそうに俯く姿なんて堪んない


だけど、なんと言っても


真っ直ぐな強く大きな瞳

何度も俺の心を捕えて離さない


漆黒の瞳に映るのが何時でもどんな時でも俺でありたい


優しくて強くて頭が良いのに天然で

言葉一つ一つが俺のツボを突いてきて
何度悶絶したことか


あぁ、俺って
心も身体も全部黒沼に染まってるじゃん!



「おーい!風早!聞いてる?」

「え?」

「おいおい!突然飛ぶなよ!」

「あぁ、ごめん」

「で?」

「へ?」

「へ?じゃねぇよ!だから!どこが好きなんだよ!」

「あ、あぁ///全部、じゃ答えにならないか・・・」



そう、一つになんて決められない

頭のてっぺんから爪先までどれも全てが愛しいんだ!



「おまっ、それ恥ずかしくねぇの?///」

「痒っ!こっちが恥ずかしいって///」

「あ、////////」



周りの反応に今さらながら恥ずかしくなる


でも、仕方ない


それが俺の気持ち


うまくも適当にも出来なくて

重たいかも知れないけど




答えは“全部”













20万HITお礼SS!今回は爽たん出てきません(笑)
それでも甘い二人を感じて頂きたかったのですが
どうでしたか
結局は風早は爽子にベタ惚れってだけです、ハイ
楽しんで頂けたら嬉しいです
お付き合い頂きありがとうございました




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