記念部屋

□20万HIT記念
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「はあ?」



耳を疑った

こいつ今、俺になんて言った?



「だから!ほんとに風早の彼女なの?」

「そうだって言ってんじゃん!」



事の起こりは昨日

昨日の日曜日、俺は彼女とデート中に目の前のヤツと会った


大学に入ってから仲良くなったヤツだけど
気さくで付き合いやすいヤツだった


その時も別に何もなかったし


何時もの様に礼儀正しい彼女は挨拶をして

気にもしていなかった



でも今日、講義が終わって帰ろうとした時
そいつがやってきて顔を見るなり言われた


“本当に風早の彼女?”と

どういう意味だよ!

いつも、思っていた


彼女の強さに惹かれて
彼女の優しさに惹かれた


そんな、彼女に俺はいつも憧れを抱いていた
それは付き合う前から
今でも変わらない気持ち


彼女に負けない様な男になりたいと思った

大学に入ってからはますます彼女は綺麗になったし
友達もたくさんできていた


楽しそうにする姿が嬉しいと思いながらも
嫉妬する自分が情けなかった


だから、コイツの言葉も最初は俺に対してかと思った


だけど、違った

明らかにそれは

彼女を侮辱するような目だったんだ



「お前ならもっとレベルの高い女と付き合えるだろ?」



やっぱり!

勘違いじゃなかったんだ!

一瞬で頭に血が上ったのを感じる



「どういう意味だよ!」

「どういうってそのまんま!」



平然と悪びれる事もなく言う姿に
更に熱くなる



「もしかしてあの子は本命じゃないのか?」



我慢できなかった


気付いた時には俺は目の前のそいつの胸倉を掴んでいた



「おいおい!どうしたんだよ!風早!」



周りが一気に慌ただしくなる

そんなの気にならない

周りが抑えるのを振り切って俺は更にそいつに突っ掛かる



「それ以上言ったらっ「か、風早くん!」」



どんな時でも聞き逃さない

忘れるなんて出来ない


俺を呼ぶ声


すっと上がっていた熱が下がるのを感じる


胸ぐらを掴んでいた手を緩め
ゆっくりと声の方へと向く



「黒沼?」



大好きな彼女の姿

胸の前でキュッと握り締めた手
真っ直ぐな瞳は少しの戸惑いを乗せていた



「ど、どうしたの?」

「は、早く終わって・・・約束の時間より早いんだけど
 風早くんの大学が見たくて・・・会いたくて・・・
 ご、ごめんなさい!勝手に!」



ほら、彼女はこんなにも綺麗で真っ直ぐなんだ

姿形じゃない

それが彼女の魅力



「あ、昨日の?こ、こんにちわ!」

「あ、あぁ・・・どうも」



気まずいのか顔を逸らす

そりゃそうだよな?


黒沼はどこから聞いてたんだ?
さっきの状況はわかってるのか?


あまりに何時もと変わらない黒沼の姿に
疑問が浮かんでくる



「私が・・・好きなので」

「「えっ?」」



黒沼はゆっくりとソイツに近づいてそっと言葉を紡いだ

姿勢のいい彼女の背中が見える


あぁ、やっぱり変わらないな

何度この背中を見ただろう



「風早くんが好きなので・・・釣り合わないのはわかってるのですが
 好きなので・・・私の事は何を言われても大丈夫です!
 う、受け止めますので!」



ガッツポーズを決める彼女が愛しくて仕方ない


釣り合わないのは俺だよ

俺の方がもっと好き



「黒沼!違うよ!いつも言ってるじゃん?好きだって

「えっ///」

「俺だって好きなんだからねっ///」



何を言われたっていい

俺が、俺たちがわかっていればそれでいい



「俺がベタ惚れなんだ」



俺の彼女は今もこれからも黒沼だけだから












20万HITお礼SS!いつもありがとうございます
30万HITが近づいていて慌てました(笑)
最後のお題になりましたが
今回はちょっと大人?な爽たんでした!
付き合う中できっと強くなって行くかなっ?て思います
きっと風早はちゃんと伝えるだろうから
それに応えようと爽たんも素直に
ただ、風早は悶絶ですがね(笑)
楽しんでもらえましたでしょうか
お付き合いありがとうございました
また遊びに来てくださいね






11/02/18
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