記念部屋

□20万HIT記念
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私はずっと恋をしている



きっとこの気持ちは変わらない


恋をするのは

彼にだけ



だけど・・・

好きになればなるほど心が冷たくなっていく


不安に覆われて
切なくなる


桜の舞い散る中で初めて会ったときから

私はずっと恋をしていたんだと思う


ただ、初めてのこの感情に気付けなかっただけ


ありがとうと言ってくれた彼が眩しくて・・・

嬉しかった



ずっと暖めていた想いは
いつからか欲張りになっていて
彼の笑顔を独占したくなっていたの


そんな感情がすごく恥ずかしくて

彼とすれ違ってしまった事もあった


でも想いが通じてからは
いつも彼は私の事を気にかけてくれていて
そんな優しさに甘えて、頼っていた



あれから幾つの季節が巡ったかな?

どれだけの月日が経っても

私の想いは小さくなるどころか

会うたびに想いはどんどん膨れて大きくなった


そして、

それに比例してだんだん怖くなったの


彼が居なくなってしまうんじゃないかと
この優しさが、温もりが無くなってしまうんじゃないかと


彼の顔色を伺ってしまう


好きだと何度言われても満足できなくて

自分の想いの方がはるかに大きい事を見せつけられる気がした



いつからだろう・・・
こんなに好きなのに・・・彼に会うのが怖くなったのは


いつからだろう・・・
こんなに彼を求めているのに・・・
彼に触れるのが怖くなったのは



「爽子?どうしたの?」



優しい眼差しで見つめてくる

ずっと変わらない真っ直ぐな瞳


何度この瞳に恋をしただろう


でも、最近の彼の瞳はいつもの強さは無くて
戸惑いを浮かべている



「ううん・・・」



嘘が付けない

この瞳は気付いてしまうから


逃げるように俯いて返事をすると
暖かな温もりに包まれる


そんなに優しくしないで・・・

私は・・・貴方の優しさに答えられない

貴方の優しさに釣り合う様になりたいといつも願う


いつも我がままを言って、
いつも甘えてしまう私を



これ以上甘やかさないで・・・


これ以上・・・好きにさせないで・・・



独りが寂しくなってしまうから
独りになるのが怖くなってしまうから



「爽子・・・こっち向いて・・・」



大きな手で顔を包まれてクイッと上を向かされる



交わるのは・・・

大好きな彼



「こっち向いてよ・・・俺を見てて・・・
不安になってしまうんだ」



悲しげな彼の顔に胸が痛む

大好きな彼の笑顔は無い



彼の笑顔を奪ってしまってるのは・・・私



大好きなのに・・・


彼が彼でなくなってしまうのが辛い



ぎゅっと抱き寄せられて温もりが流れてくる



いつも、そう・・・

彼を感じると・・・涙が出るの・・・

彼を思い出すと・・・胸が痛むの・・・



彼に触れたいと手が彷徨っている


良いのかな?

触れてもいい?


背中に回すのを躊躇っている手



「ごめんな・・・」



どれだけの時間が過ぎたのかは解らない

彼と過ごす時間はいつも早くて解らなくなるの


“ごめん”の言葉と一緒に身体が離れる


温もりが消えていくのが寂しい


追いかけたい・・・

もう一度温もりを求めてしまう


もう一度と・・・



「じゃあ・・・また・・・ね」

「うん・・・またね・・・」



「またね」が怖くなった日は・・・

いつからだろう・・・



ねえ・・・


「またね」って言っても良いですか?


未来を見ても良いですか?












キリバンお礼SS初めての爽子視点
これって終わりかけ
爽たんはそう想ってる?みたいな(笑)
そう簡単に風早はあんたを手放さないぜと言ってやりたい
楽しんで頂いてますでしょうか
少しでもキュンとなって頂けたなら本望です
ありがとうございました







11/02/11
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