記念部屋

□20万HIT記念
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いつかはこんな日が来るとは思っていた


いつか、いつかと・・・


怖くて仕方なかった



募る想いが大きくなればなるほど
怖くて怖くて


離れてしまうともう次が無いんじゃないかと
明日は会えないんじゃないかと


不安で仕方なかった



だけど、そんな不安も会えば幸せと共に消えて行くから・・・

つい忘れてしまうんだ



そして、また

独りになって不安に襲われる


そんな悪循環を俺はいつまで続ければいいのだろうかと


そん風に思いながらも手放す事が出来ないでいた



好きだから・・・

好き過ぎて可笑しくなる程に・・・

例え、彼女の想いが俺とは違っていても

例え、彼女の想いが俺には向いていないとしても



彼女から紡がれる言葉を信じるだけ


―――信じたかっただけ



“好き”だと言って欲しくて何度も求めた


真っ赤になって言ってくれるのが嬉しくて
何度も駄々を捏ねる子供の様に求める


だけど・・・


やっぱり来てしまった


この日が・・・


俺の目の前には顔を俯かせている彼女

小さな彼女が更に小さく感じる



そのまま消えてしまうのでは無いかと想う程に
儚げで、いっそこのまま閉じ込めてしまいたい


見たいのはそんな姿じゃないのに

笑って欲しいのに

俺を見て・・・笑ってよ、

どうして・・・そんな顔するんだよ?

どうして・・・

俺じゃダメなんだよ・・・


最近、何かに思いつめているのを知っていた


聞けないのは俺の弱さだろう


聞いてしまえば・・・

もう、彼女はここには戻って来てくれないのかも知れない

俺達に訪れるのは・・・



俺にとって何より怖いのは


―――――彼女が居なくなることだから


彼女の言いたい事は解っているんだ


だけど彼女は優しいから
その言葉は俺を傷つけるのをわかっているんだ
だから・・・言えないでいる


ごめんな、俺からは言ってあげれないんだ



「爽子?疲れてる?」

「え?あ・・・」



スカートの上でキュッと握られた手にそっと触れる


ピクリと反応する姿に、胸が痛む


そんな姿が愛しいと思っていた
何度季節が変わっても
初々しい彼女の反応が可愛くて仕方なかった


今は、違う


俺に触れられる罪悪感?嫌悪感?


やるせない気持ちで一杯になるけど


それでも俺は・・・



「今日は帰る?無理しないでよ?」

「え・・・でも・・・」



きっと何かの決意を秘めて今日は来たのだろう

今日こそは、と・・・


だけど言わせない・・・

言って欲しくない

今日は・・・嫌なんだ


だから、ごめん



「今日はゆっくり休みなよ?
 明日・・・会おうよ?」

「あ、明日?」

「うん、実は俺も週明けに提出のレポートあってさ、
 明日までにやっとくから、明日ゆっくり会おうよ?」



次の約束をすれば安心するの知っているから

俺にも用事がある事を伝えれば
それ以上は何も言えなくなるのを知ってるから



彼女が言いたい言葉をわかってるのに・・・


付き合ってきた年月は
言葉はなくても言いたいことがわかるようになった


でもさ、
言わせない方法も教えてくれたんだよ



「うん、じゃ、じゃあまた、明日・・・」

「うん、そうしよ?」



小さな手がこんなにも愛しいのに・・・

身体中が彼女を抱きしめたいと言ってるのに・・・



それでも俺はを離す




少しでも長く・・・君の恋人でいたいから・・・



明日は来ないで欲しいと願う











20万HITお礼SSになります
今回はお題どおりの「終わりかけの恋」になってたかな?
やっぱり切ないお話はやだなぁって事で
このままスクロールしてみて下さい
これで良い女神様はここで止めちゃって下さい
お付き合いして下さった女神様
ありがとうございました











「翔太くん・・・」

「さ、爽子、やっぱり調子悪いんじゃ・・・」



首を振る彼女にもう何も言えない

来てほしくなかった明日は来てしまって

会いたいから会わずにも居られない


そして、やっぱり



「き、聞いて欲しいの・・・」

「・・・・・」



聞きたくない!嫌だ!と叫びたい

真っ直ぐな俺の大好きな瞳を逸らすことは出来ない



「翔太くん・・・私の事・・・もう嫌いになった?」

「・・・・・へっ?は?」

「他に好きな人が・・・出来た?」

「待って!お、おれが?それ、俺のセリフ!!」

「え?」

「さ、爽子が俺のこと・・・嫌になったんでしょ?」

「え?そ、そんな!大好きだよ!あ・・・///」



うそ、嘘!
マジで?



「もしかして、俺達、同じ事で悩んでた?」

「え?あれ?」

「爽子・・・俺も爽子が大好き!好きなんだ!」



ギュッと抱き寄せたれば大好きな温もり

良かった・・・

良かった・・・



「マジ、嫌われたかと思った!」

「嫌いになんて・・・絶対ならないよ・・・」

「爽子・・・」

「翔太くん・・・」



同じ想いを唇から伝えあった






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