君☆届シリーズとお礼

□狼シリーズ
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狼の群れ@



「まじで?」

「うん」



そう言って俺に差し出したのは

―――通知書


内容を確認して、やっぱり間違いないみたいだった



「いや・・・だった?」

「嫌なんかじゃない!寧ろ嬉しいよ!でも・・・」



嬉しいけど手放しで喜べない


俺と目の前の彼女・・・爽子は
高校時代からの恋人同士



今でもラブラブだと思う///っていうか・・
俺がベタ惚れというか・・・///


はっ!今はそんな事関係ないんだ!



大学を卒業して俺も爽子も教師になった


俺は男子校に、爽子は俺と同じ学校の
姉妹校の女子高に決まった


姉妹校と言っても結構離れていて
俺のほうが家からも遠かったから一人暮らしを始めたんだ


そして、二年目



爽子が差し出した通知書に書かれていたのは
爽子が俺の学校への異動通知


同じ職場になるのは凄く嬉しい


同僚の先生に言い寄られてるっぽかったし・・・
本人は気付いてないけど・・・


でも・・・俺の学校は男子校
いくら高校生とはいえ男子だ
しかも、飢えた男子
そういうお年頃



俺だって通ってきた道だから
まぁ、俺は爽子に飢えてたんだけど


そんな狼の、群れの中に羊を放り込むのか?

嬉しいのに複雑


それが俺の正直な気持だった



「しょ・翔太くんの仕事してる姿が見れるなんて嬉しいな///」

「〜〜〜///俺だって!でも!
絶対あいつらの前では短いスカートははかないで!」

「え・・・それは・・・」



本当は“スカート”をはいて欲しくない


でも爽子はいつもスカートだから


そこは百歩譲ったとしても
膝上は絶対禁止!
白く細い爽子の足を見たらアイツら・・・


やっぱり無理!絶対禁止だな!


そんな俺の思いを知らないで
不思議そうに俺を見る爽子は殺人的に可愛い



「あーー心配だ!」



高校生にとっては女性教師は憧れの対象でもある


こんな可愛い爽子が来たらどうなるか・・・


まだ安心なのは俺たちのことは
先生たちには知られてるってこと


いちお姉妹校って事で先生同士の交流はあったから



「だ・大丈夫だよ!私頑張るから!」



ギュッとコブシを握り締める爽子


俺の“心配”の意味を解っていない


高校時代から何も変わらないな


自分のことには凄く鈍感で
でも前向きなところ


そんなところも愛しくて仕方ないんだ!



「ははっ!うん、頑張って!」

「風早先生・・・よろしくお願いします!」

「−−っっ///」



それ不意打ち!


何度も呼ばれた“風早先生”も
爽子に呼ばれると甘美なものへと変わる


本当、こんな可愛い爽子をあいつらに見せたらどうなる?



「ヤバイ・・・ちょっと安心させて・・・」



いつでも余裕無くて
独占欲は人一倍強い俺


それは全部爽子だから



そっと爽子に口付けた



「しょ、翔太くん?」



突然のキスに真っ赤になる爽子
初めてでもないのに・・・
それ以上の事だってしてるってのに・・・
それでもいつも新鮮な反応を見せる爽子に
俺はあっという間に囚われてしまうんだ



どうしてこんなに好きなんだろう
どうしてこんなにも求めるのだろう



「あいつらに笑ったりしないで」

「え?」

「あいつらと・・・話たりしないで・・・」



なんてわがままな


困らせる事解ってるのに
そんな事できないのわかってるのに・・・


言わずにいられない



「ごめ・・・俺・・・」

「好き」

「え!!」

「だいすきだよ」



真っ直ぐに俺に想いを伝えてくれる彼女は
きっと俺なんかよりずっと大人なんだろうな


鈍感なのに、他人の気持ちには敏感
俺の求める言葉を言ってくれる
その大きさに包まれていく

子供のように彼女の胸に顔を寄せればふわりと優しく頭を撫でられた


ほんとガキだよな、おれ
でも・・・



「ん・・・ん・・・」



グイッと引き寄せて唇に食いついた



食べてしまおう



明日からは狼の群れの中で過ごす爽子
今日は俺が・・・



「食べていい?」

「//////」



甘い吐息と一緒に小さく頷く彼女に覆いかぶさった


今だけは俺に


今だけは俺を







(これ、パラレルじゃないですよね?(笑)
ってか、二次なんてパラレルですよね)
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