君☆届シリーズとお礼

□狼シリーズ
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狼の群れA



「黒沼せんせーっっ!!」



ぶっ!!!


俺は飲もうとしていたお茶を噴出した


静かな昼休みの職員室に突如現れた生徒三人
勿論、男子


“大丈夫?”と心配そうに服を拭いてくれる爽子・・・黒沼先生
そんな俺たちを羨ましそうに眺めている生徒達にニヤリと口角が上がる



「くそっ!風早!その顔なんだよ!」

「黒沼せんせー!風早なんていいからさ!俺も汚れたから拭いてよ〜」



なんで“風早”なんだよ!
仮にも・・・いや仮ではなくてれっきとした教師だっての!



「風早じゃねぇ!俺も先生なの!
 しかも職員室に入るなり“黒沼先生”ってなんだよ!うるさいっ!」

「風早はせんせーじゃねぇよ!なぁ?」

「そうそう!」



三人の生徒が俺を睨みつけてくる
俺って先生じゃない?


それって、地味に傷つくんだけど!



いちお自分なりには生徒といい関係を築けていると思ってたんだけど・・・



「ライバルだっての!」



ぶっ!!!


また、お茶を噴出した


俺、もうお茶飲めないわ



「ラ、ライバル〜〜??」



それは聞き捨てならない言葉だけど


いや、まぁ聞かなくても解るけど
それはもう十分すぎるほど解ってるけど・・・

いちお、な



「なんのだよ!」

「もちろん!!」

「「「黒沼せんせーの!!!」」」



やっぱりっ!



爽子が異動してきて俺の嫌な予感は見事に的中した
最初は緊張からかぎこちなくて
高校時代のような誤解もあったのは確かだけど


そんなのほんの少しの期間


爽子の優しい雰囲気に解りやすい教え方
そして何より・・・
自然な笑顔に惹かれないやつなんていないだろう



ましてやうちの学校の先生は年配の人が多い



そんな中での爽子の存在は今ではすっかりマドンナ的



そして案の定我慢できなくなった俺は宣言しました

爽子は俺の彼女だ!と
我慢なんて出来るはず無い


着任して目の前で年下とは言え
男に囲まれて可愛く頬を染める爽子に
同じように頬を染めたのは周りの男達


そんな姿に威嚇したつもりが何故か・・・
逆に大人の色気を感じさせてしまったようだ


付き合ってるカップルである俺達は
高校生の男には刺激的だった見たいで
妄想を広げさせ余計に煽ってしまったようだ



「大人な黒沼せんせーもいい!」



なんてうれしそうに言う始末だった



「俺の彼女なの!」と爽子を腕に抱き寄せて
大きなため息をつく羽目になった


そしてそれからというもの俺に宣誓布告をしに来る生徒は数知れず



「お前らー風早先生をからかうな!」等と
職員室内で繰り広げる爽子争奪戦を面白そうに見るのは他の先生たち


止めて下さい、怒って下さい、と
最初の頃は先生たちに助けを求めた俺だけど


今ではこの通り


俺に味方は居ないようだ



「だーかーら!黒沼先生は俺のなの!」

「良いじゃん!」

「何がいいんだよ!」

「だって可愛いし」

「優しいしー」



そんな事俺が一番知ってるての!
むかついて目の前の生徒を睨みつければ


俺に爆弾を落としやがった



「いい匂いするしー」

「なっ!!!!!」

「そうそう!黒沼せんせーいい匂いするよな!」



そういいながら鼻をクンクンと犬のように動かしながら爽子に近づくから
更に引き寄せて大きな声で言ってやった



「匂いを嗅いでいいのは俺だけなの!!」



「「「・・・・ぷっ」」」

「「「ぷっ・・・・・」」」




一斉に職員室が笑いで揺らいだのは言うまでもない












シリーズ化しちゃいました(笑)
いやー、楽しくって
また此方も更新していきますね
シリーズなので不定期になりますが良かったら読んでやって下さい
リクエスト下さった女神様
シリーズ化しちゃってすみません
萌を擽るリクエストありがとうございました
お付き合い下さった女神様
ありがとうございました
また遊びに来て下さいね



2011/07/05 翠
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