長い妄想(君☆届連載)U


□心配なんだ
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心配なんだC



「いらっしゃいませ〜」



ピクッと身体が反応する



店内を見渡せば・・・


男・・・男・・・男!



ダメだ!

一人いる女性の人は接客中だ



「爽子、行こうっ!」

「え?え?」



俺は爽子の手を引いて店を出た
こんな男ばっかりの中に入ったらっ!!
爽子が怯えちゃう!


可愛いからジロジロやらしい目で見られる!!



「翔太くん?」

「あ、え〜っとこっちの方が良いからっ!」



誤魔化して次の目的地へ急いだ

次にも男ばっかりだったらどうしよ・・・


そんな心配は余所に次の店では自動ドアの向こうには女性の人しか居なかった



ホッ、良かった


いやいや、まだ安心するには早いっ!
つ、次だ!
物件で待ってくれてる人が・・・



「こちらから近いので私が案内させて頂きますね」



よっしゃっ!


爽子も安心した様な顔を見せた


良かった!!


なんならここで決めても良いかも!!



「こちらになります」



女性に案内されてやってきた部屋は明るくてとても綺麗だった


キッチンも広いし!!



「いいねっ!」

「うん、凄く素敵だね!!」



爽子も嬉しそうだし


見学が終わって外に出れば・・・



「あ、こんにちわ」

「ども、」



!!!


お、お隣さん?



隣の住民が帰ってきた所だった



若い――――男っ!



き、危険だーーっっ!!



「こちらのお隣の方もご夫婦ですよ」



夫婦?
反対側の隣には夫婦が住んでいると言う


爽子は“色々教えてもらえるかなぁ?”なんて可愛く喜んでたけど!


警報がビンビン鳴ってるよ!



さっきの若い男は爽子の年上の魅力にやられちゃうっ!
夫婦の旦那だってこんなに可愛い俺の奥さんにっ!!



両隣に男?


ムリムリ!



「絶対むりだーーっっ!!」

「「え?」」

「ダメだよ!爽子!」

「え?」



俺は爽子の手を取った


爽子はキョトンとした顔で俺を見る
こんなに可愛くて天然無自覚な彼女だ
言い寄る男はたくさんいる!



「ごめんなさいっ!ま、また連絡しまっす!!」



女性にペコリと頭を下げて爽子の手を引いてその場を去った



難しい!
家探しってこんなに大変なの?

いい物件ってなかなか無いのか〜?



「翔太くんっ!」

「あ、ごめん」



また、爽子の声にやっと我に返って足取りを緩めた



「翔太くん・・・もしかして・・・」

「ん?」

「勘違いだったら凄く申し訳ないんだけど・・・」

「なに?」

「も、もしかして・・・男の・・・人?」

「え?」

「さっきのも・・・その前も・・・男の人がダメだったの?」

「うん、そうだけど?」



な〜んだ、爽子も気付いてたんだ?


変な男に変な目で見られる前で良かったよな?


うんっ!



「しょ、翔太くんっ!」



―――――って感じで今に至るんだけど・・・
それを聞いていた龍は大きな、それはそれは大きな溜め息を吐いた


な、なに?
俺、変な事言った?



「しょーた、」

「な、なに?」

「いったい、何しに行ったんだ?」



え?

え?


何しにって・・・



「新居を探しに・・・?」

「そうか、目的はわかってるんだな?」

「??」



俺には全く意味がわからなかったけど


龍の言葉にやっと事の重大さを知った



もしかして・・・俺たち破局?



「だーっっ!!りゅ、龍っ!どうしよう?」









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