長い妄想(君☆届連載)U
□お似合い
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お似合いE
「………へ?え?」
しょうやあきひろ?
え?
これって、
………俺……めちゃくちゃ恥ずかしくない?
「わぁーーっっ///」
「キャッ!」
「ごめ、今、見ないでっ///」
「え?あ、はいっ!」
いきなり叫んで座り込んだ俺に驚きながらも
同じように座った黒沼にストップをかける
今の自分の顔を見られるのは恥ずかし過ぎるっ!
黒沼はどうしたら良いのかわからないみたいで
キョロキョロと視線を泳がしてるのがわかった
これって、ただの勘違いだよな
うわっ!マジ恥ずかしい///
「あ………同じだ、」
「え、」
「私も///くるみちゃんの時、勘違いしちゃった///
お、お恥ずかしい話ですが……///」
「え?なに?何の話?胡桃沢?」
照れながら“同じ”だと言う黒沼の意図はわからないけど
なんだかその照れた顔に全てが吹っ飛んだ
自分が気にしてた事なんてどうでも良いことなんだろうな
凄くちっぽけな事なんだ
「や、やきもち?」
「〜〜っそ、そうだよっ///」
嫉妬以外の何者でもない
黒沼と話をするヤツ全てに嫉妬してる
その綺麗な瞳に映るのは俺だけでありたい
そんな独占欲の塊だ
しょうやってヤツに比べたらホント子供だ
見た目で判断するわけでは無いけど、今日話ても感じた事だ
それに、もし黒沼が付き合ったのが他の男で
それを毎日見るなんて俺には出来ない
辛すぎる
でもアイツは……それを受け入れてる
俺だったら、その彼氏にあんなにはっきりと言えるだろうか
自分が彼女を“好きだ”と
「黒沼………すき」
「///サ、サービス!?」
「違うよっ!サービスなんかじゃない!」
こんなのサービスなんかに値しない
気持ちを伝える事が全てではない
でも気持ちを伝えないと自分が不安になってしまう
俺のこの気持ちをわかってないのでは無いかと……
「もう、行く?」
少し戸惑いながら言った言葉に
もうすぐ授業が始まる時間だと気付く
もう少し一緒に居たいけどサボるなんて出来ない
黒沼にそんな事させたくない
でも………
「もう、少しだけ……いい?」
少しだけならわがまま言って良いだろうか?
あと、少しで良いから
「うん、……良かった」
「なにが?」
「風早くん最近可笑しかったし……」
「………」
そう……だよな
しょうやってヤツの存在を知って可笑しい位動揺した
俺ってホント何やってんだろ……
きっと黒沼を不安にさせてた
「ごめんな、ホント俺、わがままで……独占欲強いし……ガキだよな……」
「いいのっ!」
「えっ」
「一緒だから……
わ、私も……か、風早くんを独り占めしたいし……されたいの……」
「〜〜///」
時折、ストレートに気持ちをくれる彼女に堪らなくなる
だから俺も隠したくない
不安にさせたのなら尚更……
最初から隠す必要なんて無かったんだ
「お似合いだと、思ったんだ」
「え?」
「黒沼と……しょうやってヤツが一緒に居るのを見て……」
お似合いだと思った
“違和感がない”って言われてその通りだと思った
嫉妬して、拗ねて、藻掻いて
結局行き着くところは一緒なんだ
「それでも……俺は黒沼が好きだ……離したくない」
例え、周りにどう思われようと構わない
俺は、黒沼が好きなんだ
(次で最終話になります)